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PPNとは?輸液の違い、特徴や留置時間について

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在宅医療の現場ではPPN患者に出会うことは少なくありません。

経口摂取が難しい状態までレベルが落ちてしまうと、在宅においてもPPNを行う場面に遭遇するかと思います。

そんなPPNについて、現場でどのように使われているか、基礎的なことをまとめてみました。

PPNとは?

在宅医療の現場ではPPN患者に出会うことは少なくありません。

経口摂取が難しい状態までレベルが落ちてしまうと、在宅においてもPPN[末梢静脈栄養]を行う場面に遭遇するかと思います。

ただ、いざPPNを始めるとなっても、何を用意したらいいのか困った経験はなかったでしょうか?

薬局薬剤師は、輸液を扱う頻度が少なかったかと思いますので、正直まだ私も慣れていないことが多いです。
なので、よく現場の看護師さんに教えてもらっています(;^ω^)

そんなPPNについて、現場でどのように使われているか、基礎的なことをまとめてみました。

PPNが適応となる患者とは?

消化管がどのくらい機能しているか、栄養剤をどのように摂取するかによって以下のように分類分けされます。

栄養剤分類

胃腸機能が働く場合は経腸栄養剤を、胃腸機能が働かない場合は静脈栄養剤[輸液]が適応されます。

静脈栄養剤[輸液]は、2週間など短期的に行うPPN[末梢静脈栄養]、長期的に行うTPN[中心静脈栄養]に分かれます。

静脈栄養剤のデメリット:経腸栄養剤との違い

  • 感染のリスクが高い[最も注意すべき点]
  • 水分の調節が難しい
  • カロリーが不足する

静脈栄養においては、カテーテル挿入部位で起こる感染が一番のデメリットとなります。

細菌が血管内に侵入し、敗血症で亡くなる方も多いため、できるだけ早い経腸栄養剤への切り替えが推奨されています。

末梢静脈カテーテルの挿入方法、留置時間

先ほど、最も注意すべき点が感染と言ったように、この末梢静脈カテーテルの管理を気を付けなければなりません。

末梢静脈カテーテルの挿入手順

必要なもの:
留置針、輸液セット、延長チューブ[必要時]、ドレッシング材

手順1
消毒

カテーテル挿入時は、手指消毒後に手袋を着用し、挿入部位の消毒を行います。

消毒剤は、0.5%を超えるクロルヘキシジンアルコールが推奨されています。[2011年CDCガイドライン]

手順2
針を挿入

PPNでは、留置針を主に上腕に挿入します。

下肢に挿入する場合もありますが、どうしても不潔になりがちなのでカテーテル感染を起こしやすくなります。

手順3
投与速度の設定

留置針と輸液セットをつなぎ投与速度を決めます。
投与速度は、主に、1mL=20滴のタイプが成人用、1mL=60滴のタイプが小児用で使用されています。

手順4
ドレッシング材で固定

輸液の投与が問題なければ、挿入部をフィルムドレッシング材で固定します。

手順5
輸液ラインの交換

感染予防、静脈炎予防のために末梢静脈カテーテルは72-96時間で交換するようにします。

代表的なPPN製剤一覧表と使い分け

PPN製剤は、ビタミン・アミノ酸・糖質の種類によって使い分けされます。
どうしても総カロリーが少なくなるため、脂肪乳剤を追加で投与します。

製品名 Na K Ca Mg Cl P 乳酸 pH
ソリタ-T1号輸液
[ソルデム1輸液]
90 70 20 2.6 3.5-6.5
KN1号輸液 77 77 2.5 4.0-7.5
ソリタ-T2号輸液 84 20 66 10 20 3.2 3.5-6.5
ソルデム2輸液 77.5 30 59 48.5 1.45 4.5-7.0
KN2号輸液 60 25 2 49 6.5 25 2.35 4.5-7.0
ソリタ-T3号輸液
[ソルデム3A輸液]
35 20 35 20 4.3 3.5-6.5
ソリタ-T3号G輸液
[ソルデム3AG輸液]
35 20 35 20 7.5 3.5-6.5
ソルデム3輸液
KN3号輸液
50 20 50 20 2.7 4.0-7.5
EL-3号輸液 40 35 40 8 20 5.0 4.0-6.0
ソルデム3PG輸液
10%EL-3号輸液
40 35 40 8 20 10.0 4.0-6.0
アクチット輸液 45 17 5 37 10 A20 M5.0 4.3-6.3
フィジオ35輸液 35 20 5 3 28 10 A20 10.0 4.7-5.3
ヴィーン3G輸液 45 17 5 37 10 A20 5.0 4.3-6.3
ソリタ-T4号輸液 30 20 10 4.3 3.5-6.5
ソルデム6輸液
KN4号輸液
30 20 10 4.0 4.0-7.5

[A:酢酸塩、M:マルトース]

低張電解質輸液の一例を比較表にしましたが、実際そこまで大きな違いはありません。

欧米ではそもそも1-4号液の概念もなく、テクニシャンが作成しています。

ブドウ糖[グルコース]の代わりに、キシリトールやマルトースが添加されることもありますが、速やかに代謝されるため、血糖値への影響はほとんどありません。

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