在宅におけるオピオイドと緩和ケア:依存・乱用について

2017年12月8日

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医療用オピオイドの使用状況

日本の総人口は減るにも関わらず、高齢者人口は増え、2040年までは死亡数も毎年増えると推計されています。

そのため、緩和ケアを含めた質の高いがん治療の在り方が求められています。

特に病院、クリニック、訪問看護ステーション、調剤薬局の連携は必須になってきます。

緩和ケアにおいては、医療用麻薬のオピオイドを使用するケースが多いですが、最近、特に諸外国ではオピオイドの乱用や依存が問題となっています。

アメリカ、カナダ、ドイツなどの医療先進国でのオピオイド消費量は日本の10倍以上です。

特にこれらの国においてオピオイドの消費量が多いため、過量投与による死亡例も多く報告されています。

医療用麻薬であるオピオイドは適切に使用しなければ、依存を生じるだけでなく、過量投与による呼吸困難→死亡ということが生じてしまします。

日本におけるオピオイド消費量は現時点では少ないものの、オピオイド依存は入院治療が必要となり医療費を押し上げることから、今後多職種連携によって評価される項目となるでしょう!

医療用麻薬オピオイドで考えなければならない3つの依存と適切な使用方法についてまとめてみました。

医療用麻薬オピオイドの3つの依存について

医療用麻薬のオピオイドには、①身体依存、②Chemical coping、③精神依存の3つの依存があると言われています。

オピオイド依存種類

オピオイドを長期的に使用することで、それぞれの依存が生じやすくなります。

オピオイド依存①身体依存

オピオイドの中止や減量など何らかの理由で、オピオイドの血中濃度が下がったときに判明します。

オピオイドの身体依存=退薬・離脱症状としては、下痢・鼻漏・不安・発汗・身震いなどの自律神経症状と、中枢神経症状が挙げられます。

身体依存の例)
オピオイドを中止すると倦怠感がひどくて何とかしてほしい。

オピオイド依存②Chemical coping

オピオイドを痛みの緩和目的でなく、心理的なストレスに対処するために使用する行動を指します。

Chemical copingの例)
痛みはないけど不安だから飲み続けている。オピオイドが効いているかはわからない。

オピオイド依存③精神依存

  • 自己制御できずにオピオイドを使用する
  • オピオイドに対する強度の欲求がある
  • 痛みがないにも関わらず、強迫的にオピオイドを使用する
  • 有害な影響があるにも関わらず、持続してオピオイドを使用する

この4つの項目のうちいずれか一つが当てはまれば”精神依存”となります。

精神依存の例)
通常量の何倍もの投与量を毎日飲まないと、痛みと不安でどうしようもなくなる。

海外においては精神依存も問題となっていますが、日本のがん治療においてこの精神依存を生じるケースは1%未満であると報告されています。

医療用麻薬オピオイドの適切な使用方法

医療用麻薬のオピオイドは、適切に使用すれば乱用・依存につながることはありません。

オピオイドの適正使用については、このイラストがよく使われます。

オピオイド麻薬依存適正使用

オピオイド麻薬依存不適正利用

[鈴木 勉,日医雑誌 122(12),1999を改変]

痛みがある状態では、不快な部分を取り除くに過ぎないので、依存を生じません。

しかし、痛みがない状態で使用し続けると、快楽を身体が覚えてしまい、依存が生じるのです。

オピオイドを使用する際は、

  • 痛みの原因の追求[例.単なる骨折ではないか]
  • オピオイドの使用によって本当に鎮痛効果が得られているのか[例.がん切除後漫然と投与されてないか]
  • 本来の目的以外使用していないか[例.不安だから、快楽目的]

などを定期的に確認する必要があります。

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