薬剤師が知っておきたい脈拍の正しい測定方法・薬との関係

2017年12月8日

高血圧イラスト

在宅医療では、多剤投与[ポリファーマシー]の観点から薬剤師のフィジカルアセスメントやバイタルサインのチェックが重要視されています。

フィジカルアセスメントとは、患者に直接触れ、会話をすることで身体の状態を把握することを指します。

バイタルサインとは、血圧[BP]・脈拍[P:プルス]・酸素飽和度[SpO2:サチュレーション]・体温[KT]の4項目の測定に加え、呼吸数意識レベルを加えた6項目を指します。

在宅医療では、患者さん自身でチェックすることもあれば、現場の看護師さんや介護士さん、薬剤師が直接行うこともあります。

最近では、日本在宅薬学会理事長の狭間先生を中心とし、薬剤師向けのバイタルサイン講習会が多く開催されるようになりました。

薬剤師がバイタルサインをチェックすることで、次の3つに今まで以上に介入することが望まれています。

  1. 新たに投薬した薬が効いているのかどうか
  2. 漫然と投与されている薬の副作用が生じていないか
  3. 次回の処方時に何か処方提案できることがないか

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脈拍とは?

心臓は、4つの部屋[右心房、右心室、左心房、左心室]に分かれています。

心房は静脈から血液を受け取る部屋、心室は動脈へ血液を送り出すポンプ機能を持つ部屋です。

肺循環体循環

このような経路で心臓が血液を送り出すために収縮する回数/分を心拍数と言います。

血液は、上大静脈と下大静脈→右心房→右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房→左心室→大動脈→全身→上大静脈と下大静脈→…という順に循環しています。

心臓の収縮による拍動[心拍]は、上腕や頸動脈・手首等の動脈に伝わり触診することができます。

この末梢における脈の回数/分が脈拍数です。

心臓の拍動[心拍]が上手く末梢まで伝わらないときもあるため、心拍数=脈拍数とならないときもあります。

脈拍数は成人で60-100回/分、高齢者では50-90回/分が基準値です。

100回/分以上の脈拍を頻脈、60回/分以下の脈拍を徐脈と言います。

脈拍やリズムの異常である不整脈とは、過労やストレス・アルコール・発熱・貧血・睡眠不足など、さまざまな要因で起こります。

これらが、心臓の刺激伝導系に異常をもたらし、脈が乱れると考えられています。

脈拍の正しい測定方法、使い方、注意点

脈拍測定写真

脈拍を測定する部位は、最も患者に抵抗なく測れることから橈骨[とうこつ]動脈が一般的です。

  1. 人差し指・中指・薬指の3指を軽く手首[橈骨動脈]に当てます。
  2. 両腕を同時に測定することで、左右差があるかを確認します。
  3. 片腕で不整があるか確認します。
  4. 15秒間測定します。明かな頻脈・徐脈・不整のある場合は1分間測定します。
  5. 測定回数×4で1分間の脈拍数とします。

強く抑えすぎず、爪で傷つけないように心がけましょう。

脈拍数に影響する薬剤

薬剤師としては、薬の副作用で脈が速くなってないか?遅くなってないか気に掛けなければなりません。

最も注意すべきは、交感神経と副交感神経です。

交感神経では、β1作用によって心機能は亢進されます。

副交感神経では、M2作用によって心機能は抑制されます。

よって、β1刺激薬やβ1遮断薬、コリンエステラーゼ賦活薬や抗コリン薬などの薬剤の影響を考慮しなければなりません。

◆頻脈の副作用に注意すべき薬剤:
β刺激薬、抗コリン薬、テオフィリン製剤プレタール[シロスタゾール]、カテコールアミン[Ad、NAd]製剤
◆徐脈の副作用に注意すべき薬剤:
β遮断薬、コリンエステラーゼ賦活薬、ジギタリス製剤

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