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ルナベル配合錠LD[低用量ピル]作用機序、特徴、副作用

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腹痛イラスト

月経困難症の治療薬、ルナベル配合錠LD[低用量ピル]の作用機序、特徴、副作用について解説しています。

ルナベル配合錠LD[低用量ピル]:月経困難症治療薬

ルナベル配合錠LD[ノルエチステロン/エチニルエストラジオール]は、我慢できない生理痛など月経困難症の治療薬として使用されています。

2つの女性ホルモンと生理

生理、妊娠にはエストロゲン、プロゲステロンといった2つの女性ホルモンが関与しています。

エストロゲンは卵胞ホルモンとも呼ばれ、赤ちゃんのベッドになる子宮内膜を分厚くし妊娠の準備に働きます。

プロゲステロンは黄体ホルモンとも呼ばれ、受精卵が着床しやすいよう妊娠の維持に働きます。

生理周期子宮内膜

生理周期は卵胞期→排卵→黄体期→生理の4つで1サイクルになります。

生理とは、妊娠の準備で増殖した子宮内膜が出血と共に剥がれ落ちることを指します。

通常は、ホルモンのバランスはフィードバック機構で一定に保たれています。

月経困難症とは?

生理痛がひどくて動けなかったり、仕事や日常にも影響する場合を、月経困難症と言います。

生理痛がひどくなる原因は、次の4つのいずれか、または組み合わせと言われています。

  1. プロスタグランジンの分泌量が多い
  2. 子宮の出口がせまい
  3. 冷え
  4. ストレス

特に生理の際に分泌されるプロスタグランジンは発痛物質であり、子宮を収縮させる作用があるため、生理痛の主な原因と考えられています。

ルナベル配合錠LD[ノルエチステロン/エチニルエストラジオール]の作用機序、特徴

生理痛には、プロスタグランジンの産生を抑えるいわゆる痛み止め=NSAIDsと負のフィードバック機構を使用したホルモン製剤が使用されます。

MEMO

ルナベル配合錠LDは、ノルエチステロン/エチニルエストラジオールを有効成分とするホルモン剤です。

ルナベルは、黄体ホルモンであるノルエチステロンと卵胞ホルモンであるエチニルエストラジオールの2つの成分を含んでいます。

ルナベルの作用機序を考える前に、性ホルモンの体内での流れを見てみましょう!

女性ホルモンの分泌流れ

性ホルモン流れ

先ほど、ホルモン量はフィードバック機構によって一定に保たれていると説明しました。

脳の視床下部から性腺刺激ホルモン放出ホルモン[GnRH]が分泌されます。

GnRHは脳下垂体前葉の受容体に作用し、卵胞刺激ホルモン[FSH]、黄体形成ホルモン[LH]が分泌されます。

FSHは卵胞に、LHは黄体に作用し、それぞれ卵胞ホルモン[エストロゲン]黄体ホルモン[プロゲステロン]が分泌され、子宮内膜の増殖妊娠の維持に働きます。

ここで卵胞ホルモンの一種であるエチニルエストラジオール、黄体ホルモンの一種であるノルエチステロンの配合剤であるルナベル配合錠LDを服用すると、体内には十分量の卵胞ホルモン・黄体ホルモンがあると認識するのです。

十分量の卵胞ホルモン・黄体ホルモンがあると認識すると、脳の視床下部・下垂体前葉・卵胞・黄体に負のフォードバック機構が働き、GnRHやFSH、LHの分泌が低下します。

その結果、子宮内膜の増殖が抑制され月経血量が減少します。

また、卵胞の発育も抑えられ排卵も抑制に働くのです。

ルナベル配合錠LD作用機序

やっくん

ルナベル配合錠LD[ノルエチステロン/エチニルエストラジオール]は、負のフィードバック機構によるGnRH、FSH、LHの分泌抑制作用により、卵胞の成熟・排卵を抑制し、月経痛を緩和します。

ルナベル配合錠LD[ノルエチステロン/エチニルエストラジオール]の服用方法

ルナベル配合錠LDは、21錠が1シートになっている製剤です。

21日間連続して服用後、7日間の休薬期間を設けます。

月経の開始のタイミングで飲み始めることで、出血が起こる際に休薬するよう調節されています。

飲み忘れた時の服用方法は次のように対応します。

万一前日の飲み忘れに気付いた場合、直ちに前日の飲み忘れた錠剤を服用し、当日の錠剤も通常の服薬時刻に服用する。
2日以上服薬を忘れた場合は、気付いた時点で前日分の1 錠を服用し、当日の錠剤も通常の服薬時刻に服用し、その後は当初の服薬スケジュールとおり服用を継続すること。

[ルナベル配合錠LD使用上の注意より]

ルナベル配合錠LD[ノルエチステロン/エチニルエストラジオール]の副作用

ルナベル配合錠LD[ノルエチステロン/エチニルエストラジオール]は、子宮内膜症に伴う月経困難症の薬として2008年に承認された薬です。

注意

主な副作用としては、不正性器出血[4.6%]、悪心[3.6%]、頭痛[1.5%]などが挙げられます。

ルナベル配合錠LD[ノルエチステロン/エチニルエストラジオール]の禁忌

  • エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば、乳癌、子宮内膜癌)、子宮頸癌及びその疑い
    [腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがあります。]
  • 診断の確定していない異常性器出血
    [性器癌の疑いがあります。出血が性器癌による場合は、癌の悪化あるいは顕性化を促すことがあります。]
  • 血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患又はその既往歴
    [血液凝固能が亢進され、これらの症状が増悪することがあります。]
  • 35歳以上で1日15本以上の喫煙者
    [心筋梗塞等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。]
  • 前兆(閃輝暗点、星型閃光等)を伴う片頭痛
    [前兆を伴う片頭痛の患者は前兆を伴わない患者に比べ脳血管障害(脳卒中等)が発生しやすくなるとの報告があります。]
  • 肺高血圧症又は心房細動を合併する心臓弁膜症、亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症
    [血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。]
  • 血管病変を伴う糖尿病(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症等)
    [血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。]
  • 血栓性素因[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。]
  • 抗リン脂質抗体症候群[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。]
  • 手術前4週以内、術後2週以内、産後4週以内及び長期間安静状態
    [血液凝固能が亢進され、心血管系の副作用の危険性が高くなることがあります。]
  • 重篤な肝障害
    [代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがあります。]
  • 肝腫瘍[症状が増悪することがあります。]
  • 脂質代謝異常
    [血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。また、脂質代謝に影響を及ぼす可能性があるため、症状が増悪することがあります。]
  • 高血圧(軽度の高血圧の患者を除く)
    [血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。また、症状が増悪することがあります。]
  • 耳硬化症[症状が増悪することがあります。]
  • 妊娠中に黄疸、持続性?痒症又は妊娠ヘルペスの既往歴[症状が再発するおそれがあります。]
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性
  • 授乳婦
  • 骨成長が終了していない可能性[骨端の早期閉鎖を来すおそれがあります。]
  • ヴィキラックス[オムビタスビル水和物・パリタプレビル水和物・リトナビル配合剤]

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