フロリード[ミコナゾール]作用機序、特徴、副作用

2017年11月19日

カンジダイラスト

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フロリード[ミコナゾール]:アゾール系抗真菌薬

フロリード[ミコナゾール]は、カンジダなど真菌に対する治療薬として使用されています。

真菌は、細菌・ウイルスとは全くの別物になります。

細菌・ウイルスとは?

細菌とウイルスでは、構造が全く異なるため増殖過程も異なります。

細菌 ウイルス
構造

細菌構造

細胞質+細胞膜+細胞壁

ウイルス構造

核酸+タンパク質の外壁

大きさ 1μm 1/1000μm
増殖過程 自分の力で増殖
[栄養環境でないと生きられない]
生物に寄生して増殖
[環境の影響を受けにくい]
薬物療法 抗生物質[抗菌薬] 抗ウイルス薬


細菌の構造は、真ん中に核を持ち、核は細胞質、細胞膜、細胞壁に覆われており複雑です。

タンパク質の合成に必要なリボソームや小胞体、エネルギー代謝に必要なミトコンドリアを持つものもあります。

ウイルスの構造は、真ん中に核を持ち、核はカプシドと呼ばれるタンパク質の殻とエンベロープと呼ばれる膜に覆われているのみであり単純です。

このように、複雑な構造をしている細菌は自分の力で数を増殖することが可能ですが、単純な構造をしているウイルスは誰かの力を借りなければなりません。

例えば食中毒の原因菌のひとつである腸炎ビブリオとノロウイルスを比較してみましょう。

条件:常温で24時間放置

細菌ウイルス違い

  • 腸炎ビブリオ[細菌]→約1億個まで増殖します。
  • ノロウイルス[ウイルス]→1個のままです。

よって、細菌による感染症の対策とウイルスによる感染症の対策は別物として考える必要があるのです。

それでは、真菌についてはどうでしょうか?
実は真菌の方がさらに複雑な構造をしているのです。

ミトコンドリア
小胞体・ゴルジ体
細胞骨格 細胞膜 細胞壁 増殖
細菌 核膜なし
単一染色体
なし なし 脂質二重層 ペプチドグリカン 単純2分裂
真菌 核膜あり
複数の染色体
あり 微小管 エルゴステロール β-グルカン
キチン
有糸分裂

真菌は真核細胞に分類され、カビや酵母・キノコなどが分類されています。

感染症とは?

私たちの身の回りには、さまざまな細菌やウイルスなどの微生物が潜んでいます。
しかし、これらの微生物にすぐに感染するかと言うとそうではないですよね。
感染が成立するには、抵抗力と感染力どちらが強いかが重要になってきます。

抵抗力感染力

新生児や高齢者は抵抗力が弱いため、少量の細菌やウイルスで感染してしまいます。

抗生物質や抗ウイルス薬、抗真菌薬では、微生物そのものを死滅させる作用を持つもの、微生物の増殖過程を阻害するものに分かれます。

抵抗力が弱くなり微生物がかなり増殖した状態で薬を飲んでも効果がない場合がありますので、注意しましょう!

フロリード[ミコナゾール]の作用機序

ひと昔前は、結核菌など感染症にかかってしまっても対症療法しか選択できず、多くの患者が命を落としていました。

感染症の治療薬として、ペニシリンが発見されて以降多くの抗菌薬[抗生物質]が開発されています。

フロリードは、膣における真菌症に対して使用される抗真菌薬です。

フロリード膣坐剤の後に、フロリードDクリーム、フロリードD液、フロリードF注、フロリードゲル経口用の順に発売されました。

フロリードは真菌の細胞膜に対して静菌的に作用します。

細菌の細胞膜が脂質二重層からなるのに対し、真菌の細胞膜はエルゴステロールからできています。

エルゴステロールは、アセチルCoA、メバロン酸、スクアレン、ラノステロールを経て合成されます。

フロリードの作用機序は、ラノステロールからエルゴステロールが合成される際に必要な酵素を阻害することによります。

エルゴステロール合成酵素[14α位脱メチル酵素]であるP450を阻害することで、エルゴステロールの生合成を阻害するのです。

フロリード作用機序

やっくん

やっくん

フロリード[ミコナゾール]は、エルゴステロール合成酵素を阻害することで、真菌の細胞膜合成過程を阻害し、抗真菌作用を示すと考えられています。

フロリードゲルの特徴:内服薬として処方する

フロリードの中でも口腔カンジダ症に使われるフロリードゲルでは処方上注意しなければならない点があります。

それは、フロリードゲルは内服薬ということです。
フロリードゲルがどうゆうものかを見てみましょう!

フロリードゲル写真

[持田製薬HPより]

このように外用のチューブのような剤形をしています。

しかし、用法は単純に塗布するだけではありません。

フロリードゲル用法:

フロリードゲル(10~20g)を4回(毎食後及び就寝前)に分け、口腔内にまんべんなく塗布する。
なお、病巣が広範囲に存在する場合には、口腔内にできるだけ長く含んだ後、嚥下する。

単純に塗布するのではなく、かなりの量を塗布した後に飲み込む方法が一般的なのです。
そのため、フロリードゲルを処方する際は、内服薬の量で記載があるか注意しなければなりません。

フロリードゲル処方箋

左の処方の場合は、全体量50gを1日4回塗布といった外用薬の表記方法になります。

フロリードゲルは内服薬であるため、右の処方のように書き換えなければなりません。

右の処方の場合、1日10gを5日分なので合計50gをお渡しする計算になります。

外用薬の表記と勘違いして合計10gのみ渡すことのないようにしましょう!

フロリード[ミコナゾール]の副作用

フロリード[ミコナゾール]は、真菌症の治療薬として、1979年に承認された薬です。

主な副作用としては、腟部のそう痒感[0.07%]、発赤[0.05%]、疼痛[0.05%]などが挙げられます。

フロリード[ミコナゾール]の禁忌

  • ワルファリンカリウム[ワーファリン]
  • ピモジド[オーラップ]
  • キニジン
  • トリアゾラム[ハルシオン]
  • シンバスタチン[リポバス]
  • アゼルニジピン[カルブロック、レザルタス]
  • ニソルジピン[バイミカード]
  • ブロナンセリン[ロナセン]
  • エルゴタミン酒石酸塩[クリアミン]
  • ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩[ジヒデルゴッド]
  • リバーロキサバン[イグザレルト]
  • アスナプレビル[スンベプラ]
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人

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