トビエース[フェソテロジン]作用機序、特徴、副作用

2017年12月5日

頻尿イラスト

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トビエース[フェソテロジン]:尿失禁・頻尿治療薬

トビエース[フェソテロジン]は、過活動膀胱の治療薬として使用されています。

過活動膀胱とは、我慢のできない突然来る尿意[尿意切迫感]をはじめ、トイレに何回も行く[頻尿]や尿を我慢できなくて漏らしてしまう[尿失禁]を伴うことがある病気です。

尿勢低下や残尿感などの排尿症状、排尿後症状を主症状とする場合は、別の疾患の可能性があるため専門医への紹介が必要です。

尿が出る仕組み

私たちは、1日に合計約1.5~2Lの尿を5~6回程度に分けて排泄しています。

つまり、1回の排尿量は300mL程度になります。

膀胱内に200mL程度の尿が溜まると、脳に「尿が溜まってきたよ~」と情報を送ります。

排尿仕組み

情報を受け取った脳が、「尿を今のうちに出すべきか?」「今は尿を我慢すべきか?」という指令を再度送ります。

尿を出すときは膀胱の筋肉が収縮・緊張し、尿を我慢するときは膀胱の筋肉が弛緩・緩みます。

これが尿意と呼ばれるものです。

過活動膀胱の患者さんでは、この筋肉の収縮と弛緩がうまくコントロールできておらず、常に筋肉が収縮・緊張状態にあるのです。

過活動膀胱

この尿を出す、出さないに関する情報・指令の伝達がうまくいかないことが、過活動膀胱の原因のひとつと言われています。

過活動膀胱の原因

過活動膀胱の原因は、大きく2つに分けられます。

上述した、脳と膀胱を結ぶ情報・指令がうまくいかない神経伝達と神経伝達以外です。

神経伝達が原因脳卒中、脳梗塞、パーキンソン病、脊髄損傷などです。
神経伝達以外が原因加齢、出産、筋肉の衰えなどです。

トビエース[フェソテロジン]の作用機序、特徴

過活動膀胱の中で最も多く使用されている薬が、抗コリン作用を持つ薬です。

尿を出すときに膀胱の筋肉を支配している神経伝達物質のひとつがアセチルコリンです。

なんらかの影響でアセチルコリンが活性化すると、膀胱内に尿が溜まっていなくても尿を出すように膀胱の筋肉が収縮します。

アセチルコリン膀胱

そのため、この膀胱の筋肉が収縮しないように抑える薬として、抗コリン薬が使用されています。

トビエースは、抗コリン作用を持つ過活動膀胱の治療薬です。

トビエースは、同じ過活動膀胱治療薬のデトルシトール[トルテロジン]の活性代謝物のプロドラッグです。

トビエースは、アセチルコリンの結合するムスカリン受容体をブロックすることで、神経伝達物質であるアセチルコリンの過剰な働きを抑える薬です。

トビエース作用機序

やっくん

やっくん

トビエース[フェソテロジン]は、膀胱にあるアセチルコリン結合性ムスカリン受容体を選択的に阻害することで、過剰なアセチルコリンの働きによる膀胱の収縮を抑制し、過活動膀胱の治療に使用されます。

トビエースの特徴:デトルシトールとの違い

トビエースはデトルシトールを改良した過活動膀胱治療薬です。

デトルシトールの有効成分トルテロジンは、CYP2D6によって活性代謝物となり膀胱に作用します。

CYP2D6量には遺伝子多型により個体差があります。

トビエース、デトルシトール違い

トビエースの有効成分フェソテロジンは、CYP2D6の影響を受けないため、血中濃度のバラつきを防ぐことができます。

トビエース[フェソテロジン]の副作用

トビエース[フェソテロジン]は、頻尿・尿失禁の治療薬として、2013年に発売された新しい薬です。

現在は、過活動膀胱に対する適応も承認されています。

主な副作用としては、口内乾燥[40.9%]、便秘[8.3%]などが挙げられます。

トビエースの副作用で口渇や便秘が起こる理由

トビエースは、アセチルコリン結合性ムスカリン受容体[M受容体]を阻害する薬です。

膀胱にあるM受容体に結合することで、膀胱の収縮を抑制します。

一方で、M受容体は、膀胱以外にも胃や腸、唾液腺などの消化器系にも多く存在します。

トビエースは、膀胱に対する選択性が高くなっていますが、消化器系のM受容体にも作用します。

消化器系のM受容体をブロックすることで、口内乾燥や便秘を示すのです。

トビエース[フェソテロジン]の禁忌

  • 幽門、十二指腸又は腸管が閉塞、麻痺性イレウス
    [抗コリン作用により胃腸の平滑筋の収縮及び運動が抑制され、症状が悪化するおそれがあります。]
  • 胃アトニー又は腸アトニー
    [抗コリン作用により消化管運動が低下するため、症状が悪化するおそれがあります。]
  • 尿閉[抗コリン作用により排尿時の膀胱収縮が抑制され、症状が悪化するおそれがあります。]
  • 眼圧が調節できない閉塞隅角緑内障[眼圧の上昇を招き、症状が悪化するおそれがあります。]
  • 重症筋無力症[抗コリン作用により筋緊張の低下がみられ症状が悪化するおそれがあります。]
  • 重度の肝障害(Child-Pugh 分類C)[血中濃度が過度に上昇するおそれがあります。]
  • 重篤な心疾患[抗コリン作用により、症状を悪化させるおそれがあります。]

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