エネーボの成分組成、カロリー、特徴、副作用

2017年12月7日

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エネーボ:経管栄養剤

エネーボは、食事摂取が困難な場合の栄養補給に使用される薬です。
歳を取るにつれ、

  • 消化管の働きが弱くなる
  • 味覚が鈍くなる
  • 飲み込みづらくなる

などによってどうしても食欲が低下してしまいます。

食事から十分な栄養を摂取できなければ、低栄養状態となります。

低栄養状態では、

  • 免疫力の低下
  • 筋力、骨量の低下
  • 認知機能の低下

などさまざまな疾患のリスクを上げてしまいます。

エネーボの成分組成、カロリー、特徴

低栄養状態を改善するために、経腸栄養剤や輸液が使用されます。

栄養の摂取方法によって以下のように分類分けされます。

栄養剤分類

胃腸機能が働く場合は経腸栄養剤を、胃腸機能が働かない場合は輸液が使用されます。

経腸栄養剤はさらに、消化の必要の有無で半消化態栄養剤消化態栄養剤に分かれます。

輸液は末梢静脈から入れるもの、中心静脈から入れるものに分かれます。

エネーボは、半消化態栄養剤です。

半消化態栄養剤は、胃における消化を必要としません。

しかし、腸によってタンパク質と脂質を消化する必要があります。

そのため、エネーボ中の糖質はデキストリンに分解されていますが、タンパク質は牛乳や乳清、大豆由来のものが使用されており、脂質も大豆、ナタネ油、ヒマワリ油、魚油など消化態栄養剤より多く配合されています。

エネーボの栄養成分組成は以下の通りです。

栄養成分組成 含有量[1缶=250mL中]
三大栄養素 タンパク質 13.5g
脂肪 9.6g
糖質 39.6g[フラクトオリゴ糖 1.7g含む]
ミネラル、微量元素 ナトリウム 230mg
カリウム 300mg
カルシウム 290mg
マグネシウム 52mg
塩素 250mg
4.4mg
亜鉛 4.5mg
マンガン 1.4mg
0.48mg
リン 0.25mg
クロム 31μg
モリブデン 34μg
セレン 20μg
ビタミン類 レチノール、β-カロテン[ビタミンA] 190μg
コレカルシフェロール[ビタミンD] 2.8μg
酢酸トコフェロール[ビタミンE] 11.0mg
フィトナジオン[ビタミンK] 29μg
チアミン[ビタミンB1] 510μg
リボフラビン[ビタミンB2] 800μg
ピリドキシン[ビタミンB6] 770μg
シアノコバラミン[ビタミンB12] 880μg
アスコルビン酸[ビタミンC] 63mg
ニコチン酸アミド[ナイアシン] 4.5mg
パントテン酸 2.5mg
葉酸 68μg
ビオチン 13μg
コリン 0.21mg
タウリン 45mg
L-カルニチン 32mg


この表の値は、エネーボ250mL中の数値です。

エネルギーとしては、1缶250mLで300キロカロリー[kcal]摂取することができます。

つまり、従来のエンシュアリキッド[250kcal/250mL]とエンシュアH[375kcal/250mL]の中間程度のカロリーを摂取することができるのです。

エンシュアリキッドとエンシュアHの成分組成やカロリーなどの詳しい情報は次にまとめていますのでご覧ください。

エネーボは、塩分制限や水分制限のある患者さんの場合、食塩相当量が0.586g、水分量が203mLで計算します。

やっくん

やっくん

エネーボは、消化がある程度可能な半消化態栄養剤として働くことによって、低栄養状態を改善します。

エネーボの特徴:エンシュアリキッド、エンシュアHとの違い、比較

栄養に関する情報は日々新しくなっており、三大栄養素の比率や、微量元素や超微量元素の必要性が明らかになってきています。

エネーボは、エンシュアリキッドやエンシュアHを改良した製剤です。

エネーボとエンシュアリキッド、エンシュアHとの違いを以下に簡単にまとめてみました。

  • 三大栄養素のエネルギー比率を、タンパク質:脂質:炭水化物=18:29:53としています。
  • 筋肉の構成に関与するアミノ酸[BCAA]=バリン・ロイシン・イソロイシンの割合を高くしています。
  • 不飽和脂肪酸の魚油を配合しています。
  • 整腸作用のあるフラクトオリゴ糖を配合しています。
  • ビタミンAでは、レチノールのみでなくβ-カロテンを配合しています。
  • 高齢者で不足がちなビタミンD量を増量しています。
  • 新たにセレン、モリブデン、クロム、L-カルニチン、タウリンを配合しています。

エネーボの使用、保管方法

エネーボは調製不要の半消化態栄養剤です。

バニラの味が販売されています。

しかし、250mLで300kcalと従来品より高カロリーの経腸栄養剤であるため、高齢者では上手く服用できない場合があります。

そのため、原液を水で溶かしたり、湯煎や冷凍、とろみ剤を加えてゼリー状にすることを考慮するケースがあるかと思います。

製造メーカーに問い合わせたところ、脂質やタンパク質、熱に弱いビタミン類を含んでいるため、湯煎や冷凍は好ましくありません。

「液体で服用が困難な場合は固形化しゼリーのように服用することができます。」と回答してくださいました。

エネーボの服用方法:固形化しゼリーのように服用

固形化し服用する場合は、寒天を使う方法が推奨されています。

  1. 2gの寒天を水200mLに溶かします。
  2. 一度煮詰めた後、常温で冷まします。
  3. エネーボを50~60℃になるよう湯煎します[3~4分程度]
  4. 2の寒天を3に加えよく混ぜ、固まるまで冷所で冷やして完成です。[約2時間程度]

エネーボの開封後の使用期限

エネーボは一度には飲めないこともあり、複数回に分けて飲む場合もあります。

エネーボの開封後の使用期限72時間まで試験されており安定性は問題ないことがわかっています。

しかし、開封後は外部からの微生物汚染に注意しなければなりません。

そのため、微生物汚染が起こりにくいと考えられる医療機関では開封後48時間介護施設自宅の場合は開封後24時間以内に使用します。

なお、開封後については冷所に密閉して保管し、服用時はコップに注いで服用します。

エネーボの副作用

エネーボは、食事摂取が困難な場合の経管栄養剤として、2014年に発売された薬です。

エネーボの副作用としては、下痢[40.7%]、便秘[15.3%]、腹部膨満[10.2%]、腹痛[8.5%]、低ナトリウム血症[6.8%]、高カリウム血症[5.1%]等が報告されています。

エネーボの禁忌

  • 牛乳タンパクアレルギー
    [牛乳由来のカゼインが含まれているため、ショック、アナフィラキシー様症状を引き起こすことがあります。]
  • イレウス[消化管の通過障害があります。]
  • 腸管の機能が残存していない患者[水、電解質、栄養素などが吸収されません。]
  • 高度の肝・腎障害[肝性昏睡,高窒素血症などを起こすおそれがあります。]
  • 重症糖尿病などの糖代謝異常[高血糖,高ケトン血症などを起こすおそれがあります。]
  • 先天性アミノ酸代謝異常
    [アシドーシス、嘔吐、意識障害などのアミノ酸代謝異常の症状が発現するおそれがあります。]

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