【新着記事】新型コロナウイルスの対策についてまとめました

リンデロンVG[ゲンタマイシン/ベタメタゾン吉草酸エステル]効能、強さ、副作用

記事内に広告を含みます

角化性皮膚疾患イラスト

抗菌薬とステロイド外用薬の配合薬、リンデロンVG[ゲンタマイシン/ベタメタゾン吉草酸エステル]の効能、強さ、副作用について解説しています。

リンデロンVG[ゲンタマイシン/ベタメタゾン吉草酸エステル]:ステロイド外用薬

リンデロンVG[ゲンタマイシン/ベタメタゾン吉草酸エステル]は、感染を伴う湿疹・皮膚炎の治療に使用される抗生剤・ステロイドの配合薬です。

感染を伴う湿疹のひとつが、とびひと呼ばれる「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」です。

とびひは、虫刺されや掻きむしった擦り傷部分などに、外部から細菌が侵入することで発症します。

「黄色ブドウ球菌」や「レンサ球菌(溶血性レンサ球菌)」が原因菌であり、水疱が破れて様々な場所へと細菌が伝染することから「とびひ」と言われています。

リンデロンVG[ゲンタマイシン/ベタメタゾン吉草酸エステル]の強さ、作用機序

とびひの治療は原因菌に働く薬物療法であり、リンデロンVGはそのひとつです。

MEMO

リンデロンVGは、ゲンタマイシン/ベタメタゾン吉草酸エステルを有効成分とする配合薬です。

リンデロンVGは、無菌製剤ではないため、粘膜以外の身体全体の皮膚や傷口に使用します。

ゲンタマイシンの作用機序

ゲンタマイシンは、ゲンタシンとして単剤では使用されており、主にグラム陽性菌のタンパク質生合成過程に作用します。

タンパク質生合成

タンパク質は、DNAの情報をmRNAに転写した後に、リボソームで翻訳され、タンパク質へと合成されます。

ゲンタマイシンは、タンパク質生合成の翻訳過程にて関与するリボソーム30Sに結合することで、抗菌作用を示します。

リンデロンVG作用機序

やっくん

リンデロンVG[ゲンタマイシン]は、リボソーム30Sサブユニットに結合することで、タンパク質の生合成を阻害し、抗菌作用を示します。

ベタメタゾン吉草酸エステルの作用機序

リンデロンVGの有効成分であるベタメタゾン吉草酸エステルは、脂溶性で分子量が476.58と小さいことから、細胞内へ容易に取り込まれます。

細胞膜を通過し細胞質へ取り込まれると、グルココルチコイド受容体[GR]に結合し、核内へ侵入します。

リンデロンVGを含むステロイド外用薬は、この核内において2つの作用を示します。

ベタメタゾン吉草酸エステルの作用機序①

1つ目は、GR結合部位[GRE]に結合することでリポコルチンと呼ばれるタンパク質の転写を誘導します。

リポコルチンの作用の1つがホスホリパーゼA2の阻害作用であるため、アラキドン酸カスケードにおけるプロスタグランジン[PG]とロイコトリエン[LT]といった炎症に関与する局所ホルモンの生合成を阻害するのです。

リンデロンVG作用機序

ベタメタゾン吉草酸エステルの作用機序②

2つ目は、AP-1やNF-κBなどの炎症性転写因子に直接結合する作用です。

これら炎症性転写因子の作用を抑制することで、炎症性サイトカインであるTNF-αやIL-6の産生を抑制します。

リンデロンVG作用機序

やっくん

リンデロンVG[ベタメタゾン吉草酸エステル]は、局所ホルモンの生合成阻害作用、炎症性サイトカインの生合成阻害作用により、抗炎症作用を示します。

リンデロンVG[ゲンタマイシン/ベタメタゾン吉草酸エステル]の副作用

リンデロンVG[ゲンタマイシン/ベタメタゾン吉草酸エステル]は、湿潤性湿疹や感染を伴う湿疹や皮膚炎の治療薬として、1970年に発売された古い薬です。

リンデロンVGは、主な副作用として、皮膚刺激感・潮紅[1.8%]、皮膚炎[0.9%]が報告されています。

リンデロンVG[ゲンタマイシン/ベタメタゾン吉草酸エステル]の禁忌

  • 真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症及び動物性皮膚疾患(疥癬、けじらみ等)
    [これらの疾患が増悪するおそれがあります。]
  • 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎[穿孔部位の治癒の遅延及び感染のおそれがあります。]
  • 潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷
    [皮膚の再生が抑制され、治癒が遅延するおそれがあります。]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

error: Content is protected !!