ワントラム[徐放トラマドール]作用機序、特徴、副作用

2017年12月7日

けいれん薬イラスト

スポンサーリンク

ワントラム[徐放トラマドール]:解熱鎮痛薬

ワントラム[徐放トラマドール]は、がん性疼痛、関節リウマチや腰痛、変形性関節症などの慢性疼痛改善に使用される治療薬です。

痛みのもとをとるわけではないので、対症療法として使用します。

そのため、長期的に使用することは避けなければなりません。

痛みや発熱、炎症の原因

痛みや発熱、炎症は身体の一部が何らかの損傷を受けたときに発生します。

神経の刺激・損傷によって頭痛が起こり、感染症ではウイルスを攻撃するために発熱します。

いずれの場合も体内でホスホリパーゼA2が活性化され、リン脂質からアラキドン酸を経て、プロスタグランジンと呼ばれる生理物質が作られることによります。

アラキドン酸カスケード

アラキドン酸が原料となりプロスタグランジンだけでなく、ロイコトリエンやトロンボキサンA2といった生理物質が生成されるため、この経路をアラキドン酸カスケードと呼びます。

プロスタグランジンは、HやI、F、Gなど多くの種類があり、それぞれ異なる作用を示します。

中でも、プロスタグランジンE2は、直接的な発熱作用に加え、強力な痛みの信号を発するブラジキニンの作用を強め、サブスタンスPの遊離を促進することで、痛みを引き起こします。

ワントラム[徐放トラマドール]の作用機序、特徴

私たちが痛みを感じたり、発熱・炎症を起こすのは、プロスタグランジンブラジキニンサブスタンスPの生成が原因です。

これらは、脳から痛みが伝わることで、生成・遊離・作用します。

そのため、解熱鎮痛薬を含む抗炎症薬は、プロスタグランジンやブラジキニンの生成・作用を阻害することを目的としています。

一方で、痛みが伝わるには、末梢[刺激]→脳→末梢[痛み]へと神経を介して情報を伝達します。

末梢[刺激]→脳への伝達を上行性伝導路、脳→末梢[痛み]への伝達を下行性伝導路と言います。

痛み伝達

ワントラムは通常の解熱鎮痛薬とは異なる機序で上行性・下行性伝導路の抑制に働く、より強力な鎮痛薬です。

ワントラムは、2つの作用を持っています。

1つはモルヒネなどの麻薬性鎮痛薬と同様、オピオイド受容体に作用することで鎮痛効果を示します。

オピオイド受容体に作用すると、サブスタンスPやグルタミン酸といった発痛物質の遊離、および、上行性伝導路を抑制するのです。

ワントラム作用機序

2つ目は、ノルアドレナリン・セロトニンの再取り込み阻害作用を有し、侵害刺激という刺激の抑制に働きます。

ワントラム作用機序

やっくん

やっくん

ワントラム[徐放トラマドール]は、オピオイド受容体に作用することで、発痛物質の遊離、上行性伝導路を抑制し、NAd・セロトニン量を増やすことで、下行性伝導路を抑制し、痛みの伝達を抑制します。

ワントラム[徐放トラマドール]の特徴:トラマールとの違い、比較

ワントラムより以前には、トラマドールとしてトラマールが使用されていました。

しかし、通常の投与量では、1日4回投与するケースが多く利便性に欠けているというデメリットがありました。

ワントラム2層構造

ワントラムは、即効性と徐放性を併せ持つ2層性の錠剤であるため、1日1回投与で1日4回投与のトラマールと同等の効果を得ることができます。

また、ワントラムの薬価はトラマールの薬価の約4倍であるため、患者負担額は変わりません。

ワントラム[徐放トラマドール]の副作用

ワントラム[徐放トラマドール]は、慢性疼痛の治療薬として、2015年に発売された比較的新しい薬です。

主な副作用としては、便秘[61.9%]、悪心[51.9%]、傾眠[28.2%]、嘔吐[22.6%]、浮動性めまい[18.4%]、口渇[6.5%]、食欲減退[5.7%]、頭痛[5.0%]などが報告されています。

ワントラム[徐放トラマドール]の禁忌

  • アルコ-ル、睡眠剤、鎮痛剤、オピオイド鎮痛剤又は向精神薬による急性中毒
    [中枢神経抑制及び呼吸抑制を悪化させるおそれがあります。]
  • エフピー(モノアミン酸化酵素阻害剤)を投与中、又は投与中止後14日以内
  • 治療により十分な管理がされていないてんかん患者[症状が悪化するおそれがあります。]
  • 高度な腎障害又は高度な肝障害
    [高い血中濃度が持続し、作用及び副作用が増強するおそれがあります。]

スポンサーリンク

人気のページ

薬学生・薬剤師向けLINEスタンプ作成しました

薬剤師薬学生LINEスタンプ

Facebookページ開設しました


いいね!して頂けるととても励みになります(*‘∀‘)