2018年度診療報酬改定:中医協の答申まとめ[薬局関連]

2018年2月11日

会議

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2018年度診療報酬改定に向けた答申

2018年度診療報酬改定について様々な噂が飛びかっていて、私たち薬局薬剤師は不安な日々をお過ごしかと思います。

診療報酬改定においては、「どれくらいのお金が診療報酬に配分されるか=予算」と「配分されたお金をどのように使うか=診療報酬の方向性」が重要となります。

診療報酬改定の議論の流れは以下の通りです。

2017年11月24日:診療報酬改定の基本方針(案)
2017年12月13日:診療報酬改定の基本方針
2018年1月24日-26日:診療報酬改定に向けた個別改定項目(案)
2018年2月7日:中医協が厚生労働省へ答申

答申とは何か?についてはこちらで解説しています。

2018年度診療報酬改定:3つのポイント

2018年度診療報酬改定の個別改定(案)を見た限り、中小以上の調剤薬局において非常に厳しい診療報酬改定になるのではと私は感じました。

基準調剤加算の廃止はもちろん、後発医薬品が3段階になったりとやはり詳細を予想するのは難しいですね。

そして、中医協から厚生労働省の答申内容を確認した個人的感想は、次の3つがポイントかなと思ってます。

  1. 利益率の高い薬局の単価を下げる
  2. 医療費削減に貢献できる薬局薬剤師を評価する
  3. 適正な薬価改定の実施

利益率の高い薬局の単価を下げる

個人的には今回の改定で一番のポイントかなと思っています。

調剤薬局の経営規模によって、利益率が大きく違うことはこれまでも取り上げてきました。

薬局の利益面だけ抽出すると、以下の通りです。

2015年度 2016年度 収益に対する利益の割合
1店舗 7249 5710[-21.3%] 3.8%
2-5店舗 6858 6235[-9.1%] 4.0%
6-19店舗 13787 12976[-5.9%] 8.3%
20店舗以上 28573 26661[-6.7%] 12.1%

単位:千円[]内は前年比

1-5店舗規模の調剤薬局と6店舗以上の調剤薬局において、2-4倍の利益の差があるんですよね。

そこで目を付けたのが調剤基本料の2・3対象の調剤薬局、いわゆる大型門前薬局です。

門前の病院やクリニックに頼っている調剤薬局では、イレギュラーな対応が少なく品目数も少なくて良いため、廃棄医薬品の数も少ない=利益率が高くなるのです。

集中率廃棄医薬品金額

また、門前の病院やクリニックに頼っている調剤薬局は半数以上といったデータもあります。

H28年度処方箋集中率調剤薬局

[平成28年度厚生労働省保険局医療課委託調査「薬局の機能に係る実態調査」]

さらに、門前だけでなく医療ビルや医療モールなどを想定して3医療機関の処方箋集中率を見ると、60%の調剤薬局が処方箋集中率90%以上となります。

H28年度3医療機関処方箋集中率

[平成28年度厚生労働省保険局医療課委託調査「薬局の機能に係る実態調査」]

これらのデータを受けて、2018年度診療報酬改定では集中率85%超えと調剤基本料2・3の対象薬局を拡大したと考えられます。

医療費削減に貢献できる薬局薬剤師を評価する

患者アンケートにおいて、後発医薬品に変更するきっかけで一番多いのは、薬局薬剤師からの提案です。

変更理由の70%以上が薬局薬剤師からの提案で、2番目の理由である医師からの提案はたったの10%強と大きく差を開けています。

2018年度診療報酬改定では、、政府が目標とする80%を超える85%以上にも加算が付きました。

これは、75%の目標値を達成するとそれ以上の声掛けを積極的に行わず、75%超で高止まりする背景が影響していると考えられます。

また、服用薬剤調整支援料が新設されました。

かかりつけ医とかかりつけ薬剤師との連携が評価された形となります。

中医協の資料を見ると、先日Yahoo!ニュースにも取り上げられていた、薬剤師が医療費削減に貢献といった論文も診療報酬改定議論の対象となっています。

このような取り組みが今後増えて評価されていくのでしょう!

適正な薬価改定の実施

薬価については、一部医薬品の毎年薬価改定や費用対効果について議論が続いています。

その中で、妥結率だけではなく、単品単価契約率、一律値引き契約についても報告義務が課されました。

医薬品の価格は、単品単価、単品総価、全品総価の3つに分かれます。

単品単価単品総価全品総価

本来は、医薬品それぞれに対して価格が決まるべきなので、単品単価契約が望ましいとされています。

実際の医薬品の価格も分かりづらいですしね。

しかし、単品単価契約よりも単品総価契約が増えているのが現状です。

単品単価取引割合

単品単価契約率、一律値引き契約を全て把握するによって、薬価の引き下げ対象品や引き下げ額が今後増えることになると考えられます。

あるいは、これまで以上に価格交渉が難航するかもしれません。

いずれにしろ、製薬会社・卸・薬局を含めた医療機関の負担が増えることになるのは明確です。

もしかしたら、この単品単価契約率を一定以上にするといった改定が今後出てくるかもしれません。

一部先発医薬品の薬価を後発医薬品の薬価と同一にするというような話もあるように、今後は薬価差益の在り方について議論されるケースがさらに増えると考えられます。

2018年度診療報酬改定に向けた答申の概要・まとめ

答申で調剤薬局に関連する項目を確認しましたので、個人的に調剤薬局において重要と考えた6項目について以下まとめてみました。

私の解釈で文章を変更して記載している部分もありますので、参考程度にご覧ください。

①かかりつけ薬剤師の評価

【かかりつけ薬剤師要件の在籍期間、勤務時間を見直し】

2016年度 2018年度案
該当店舗に6ヶ月以上の在籍 該当店舗に12ヶ月以上の在籍
育児・介護時短勤務者は週4日・24時間以上でもOK

②地域医療に貢献する薬局の評価

【基準調剤加算の廃止】

2016年度 2018年度案
基準調剤加算32点 廃止

【地域支援体制加算の新設】

2016年度 2018年度案
地域支援体制加算35点
a)調剤基本料1を算定している場合、2016年度の基準調剤加算の要件に近い内容で算定可能
b)調剤基本料1以外を算定している場合、a)に加えて、かかりつけ実績・個人在宅実績・薬学的観点からの服薬支援実績などの対人業務の実績が必要

  • 夜間休日対応実績:400回
  • 重複投薬・相互作用等防止加算:40回
  • 服用薬剤調整支援料:1回
  • 個人在宅実績:12回
  • 服薬情報等提供料:60回
  • 麻薬指導加算:10回
  • かかりつけ薬剤師指導料:40回
  • 外来服薬支援料:12回

[1年間に常勤薬剤師1人あたりの数]

③薬局における対人業務の評価の充実

【服用薬剤調整支援料の新設】

2016年度 2018年度案
服用薬剤調整支援料125点
6種類以上のポリファーマシー患者に対して、文書によって医師に減薬を提案、2種類以上の減薬に成功した場合に算定。

【お薬手帳の活用実績の新設】

2016年度 2018年度案
お薬手帳を持参しない患者が5割以上の場合、

  • 薬剤服用歴管理指導料が13点へ減算
  • 重複投薬・相互作用等防止加算、ハイリスク薬加算、乳幼児服薬指導加算、麻薬管理指導加算が算定できない

④薬局における後発医薬品の使用促進

【後発医薬品調剤数量割合の引き上げ】

2016年度 2018年度案
後発医薬品調剤体制加算1 18点:65%以上
後発医薬品調剤体制加算2 22点:75%以上
後発医薬品調剤体制加算1 18点:75%以上
後発医薬品調剤体制加算2 22点:80%以上
後発医薬品調剤体制加算3 26点85%以上

【調剤基本料減算規定の新設】

2016年度 2018年度案
後発医薬品の使用割合が2割以下の場合、調剤基本料が2点減算される。

⑤一般名処方加算の見直し

【一般名処方加算の点数引き上げ】

2016年度 2018年度案
一般名処方加算1:3点
一般名処方加算2:2点
一般名処方加算1:6点
一般名処方加算2:4点

⑥いわゆる門前薬局の評価の見直し

【同一ビルなどの医療モールも調剤基本料2の対象に】

2016年度 2018年度案
◆調剤基本料2

  • 処方箋受付回数が月2000回超え、集中率90%超え
  • 特定の保険医療機関の処方箋受付回数が月4000回超え
◆調剤基本料2

  • 処方箋受付回数が月2000回超え、集中率85%超え
  • 特定の保険医療機関の処方箋受付回数が月4000回超え

医療ビル医療モールの場合、合算して4000回超えとする
*同一病院・クリニック前に複数店舗ある薬局は、合算して4000回超えとする

【処方箋枚数の多い門前薬局の範囲拡大】

2016年度 2018年度案
◆調剤基本料3
同一グループの処方箋受付回数が月4万回超え、かつ、集中率95%超え
◆調剤基本料3
a)同一グループの処方箋受付回数が月4万回超え40万回以下、かつ、集中率85%超え
b)同一グループの処方箋受付回数が月40万回超え、かつ、集中率85%超え

在宅に関する項目は主に介護保険となるので、こちらにまとめています。

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