在宅医療を始めたいけど、どのようにするのかわからないという薬剤師はまだまだ多いように感じます。
今回は、在宅医療の中でも、個人宅ではなく施設に訪問する在宅医療について大まかな流れを紹介しています。
薬局薬剤師が行う在宅医療の流れ
在宅医療は、同一建物に居住している方[=施設在宅]と同一建物に居住していない方[=個人在宅]の2つに分かれます。
いずれの場合も、薬局の主な役割は服薬指導、服薬管理、患者状況のフィードバックです。
日本在宅薬学会長の狭間先生が推進しているように、今後はバイタルチェックを始めとしたフィジカルアセスメント、これに伴う多剤投与の削減が求められるかと思います。
私のこれまでの経験では、医師・看護師との訪問診療同行[往診同行]が施設在宅ではちょうど半分ほどありました。
H28年の診療報酬改定以降は、往診日が固定になるケースが多く往診同行が増える傾向にあります。
それでは、薬局薬剤師がどのような順序で在宅医療を行うのか見て行きましょう!
ここでは施設在宅における流れを紹介します。
薬剤師の在宅医療流れ
1.往診同行時は、ひとりひとりの患者さんとコミュニケーションを取って、生活の変化、食事の摂取状況や排便状況などのヒアリングを行います。
血圧[BP] 、脈拍[P]、酸素飽和度[SPO2]、体温[KT]などのバイタルサインのチェックも行います。
2.ヒアリングの結果、処方薬を変更するか否かを決め、医師から処方箋を頂きます。
このとき、残薬があれば日数の調整、必要な外用薬を処方してもらいます。
便が出ているときは下剤を飲まないため、下剤の日数調整が多いように思います。
また、薬の減量や追加などの薬剤の変更情報を医師・薬剤師・施設担当者と共有します。
このとき誰の薬をいつから薬を変更するのかがわかるよう、薬剤の変更ノートを施設で作成しておくと良いでしょう!
3.処方箋を調剤薬局に持ち帰り、お薬を一包化調剤します。往診日当日から服用・使用する薬があれば、急いで配達します。
4.お薬BOXやカレンダーなど飲み間違い[誤薬]のないような工夫を行います。
5.急ぎの薬でない場合は、翌日以降に患者さんのもとへ配達・配薬します。
6.施設在宅の場合は、主に看護師さんや介護士さんに服薬指導を行い、必要に応じて直接患者さんにも服薬指導を行います。
この際、必要であればバイタルサインのチェック(自分で行うこともあれば、施設の記録を拝見することもあります)や、新しい薬が出た場合などは副作用の兆候がないか等をチェックします。
個人在宅の場合は、患者さん本人やご家族さん、ケアマネさん、ヘルパーさん、訪問看護師さんなど服薬指導の対象者はさまざまです。
7.お薬をお届けした際の服薬指導、服薬管理、患者状況を報告書・計画書にまとめます。
8.必要に応じて速やかに医師や看護師へ聞き取り内容のフィードバックを行います。