アメナリーフ［アメナメビル］作用機序、特徴、副作用

ウイルス感染症の治療薬、アメナリーフ［アメナメビル］の作用機序、特徴、副作用について解説しています。

アメナリーフ［アメナメビル］：抗ウイルス薬

アメナリーフ［アメナメビル］は、ウイルスに対する帯状疱疹の治療薬として使用されています。

細菌・ウイルスとは？

細菌とウイルスでは、構造が全く異なるため増殖過程も異なります。

細菌の構造は、真ん中に核を持ち、核は細胞質、細胞膜、細胞壁に覆われており複雑です。

タンパク質の合成に必要なリボソームや小胞体、エネルギー代謝に必要なミトコンドリアを持つものもあります。

ウイルスの構造は、真ん中に核を持ち、核はカプシドと呼ばれるタンパク質の殻とエンベロープと呼ばれる膜に覆われているのみであり単純です。

感染症とは？

私たちの身の回りには、さまざまな細菌やウイルスなどの微生物が潜んでいます。

しかし、これらの微生物にすぐに感染するかと言うとそうではないですよね。

感染が成立するには、抵抗力と感染力どちらが強いかが重要になってきます。

新生児や高齢者は抵抗力が弱いため、少量の細菌やウイルスで感染してしまいます。

抗生物質や抗ウイルス薬では、微生物そのものを死滅させる作用を持つもの、微生物の増殖過程を阻害するものに分かれます。

アメナリーフ［アメナメビル］の作用機序

ひと昔前は、結核菌など感染症にかかってしまっても対症療法しか選択できず、多くの患者が命を落としていました。

感染症の治療薬として、ペニシリンが発見されて以降多くの抗菌薬［抗生物質］が開発されています。

アメナリーフはウイルスを殺すのではなく、ウイルスの増殖過程を阻害します。

アメナリーフの有効成分であるアメナメビルは、バルトレックスやファムビルとは異なる作用機序で作用します。

アメナリーフは、DNAの複製段階の一つであるDNAの開裂時およびRNAプライマーの合成時に作用します。

通常、ウイルスは細胞内の核内へ侵入しDNAの複製を開始します。

DNA複製の過程は、次の4つの順序で行われます。

アメナリーフは、DNA複製に必須の酵素であるDNAヘリカーゼ・DNAプライマーゼ・DNAトポイソメラーゼ複合体の活性を阻害します。

二本鎖DNAの開裂及びRNAプライマーの合成を抑制することで、DNAの生合成を阻害するのです。

アメナリーフ［アメナメビル］の特徴：1日1回投与、肝代謝糞中排泄

アメナリーフ［アメナメビル］の特徴は、新規作用機序以外に2つあります。

アメナリーフの服用方法：1日1回投与

アメナリーフは、他の帯状疱疹の治療薬バルトレックスやファムビルと異なり1日1回の服用で構いません。

また、大きさはバルトレックスよりもやや小さいですが、直径15mmのため若干の飲みにくさがあるかもしれません。

アメナリーフは腎機能の影響を受けない

他の帯状疱疹の治療薬バルトレックスやファムビルでは、腎機能＝クレアチニンクリアランスに応じた用量調整が必要でした。

アメナリーフは肝代謝後、糞中に排泄されるため腎機能の影響を受けないことが確認されており、高齢者に使用しやすい薬となっています。

アメナリーフ［アメナメビル］の副作用

アメナリーフ［アメナメビル］は、帯状疱疹の新規作用機序治療薬として、2017年に承認された薬です。

アメナリーフ［アメナメビル］の禁忌

• リファジン［リファンピシン］（CYP3A誘導作用により相互に代謝が促進されるため）