前立腺肥大症の治療薬、ハルナール[タムスロシン]の作用機序、特徴、副作用について解説しています。
ハルナール[タムスロシン]:前立腺肥大症治療薬
ハルナール[タムスロシン]は、前立腺肥大症に伴う排尿困難の治療薬として使用されています。
前立腺とは、男性が持つ膀胱の下部にある生殖器であり、精液を作ったり、精子を守ったりといった働きをしています。
この前立腺が何らかの影響で大きく膨れがってしまい、尿が出にくくなってしまう病気が前立腺肥大症です。
前立腺肥大症の原因
前立腺肥大症の原因は、大きく2つに分けられます。
前立腺そのものが大きくなりすぎている場合と、交感神経が過敏に緊張し尿道が狭くなっている場合です。
- 物理的な原因:前立腺そのものが大きくなる
- 機能的な原因:交感神経の緊張
ハルナール[タムスロシン]の作用機序、特徴
前立腺肥大症に伴う排尿困難の中で最も多く使用されている薬が、α1遮断作用を持つ薬です。
前立腺肥大症の機能的な原因で出てきたように、交感神経の緊張が排尿困難を引き起こすひとつの原因です。
この交感神経の緊張を緩めるために、α1遮断薬が使用されます。
α1遮断薬の代表的な薬がハルナールです。
ハルナールは、前立腺に存在するα1受容体をブロック、遮断することにより、過剰な交感神経の働きを抑えることで前立腺平滑筋を弛緩し、尿道を確保する薬です。
やっくん
ハルナール[タムスロシン]は、前立腺にあるα1A受容体を選択的に阻害することで、ノルアドレナリンの働きによる前立腺の収縮を抑制し、前立腺肥大症に伴う排尿困難の治療に使用されます。
ハルナール[タムスロシン]の副作用
ハルナール[タムスロシン]は、前立腺肥大症の治療薬として、1993年に承認された比較的古い薬です。
主な副作用としては、めまい、胃の不快感などが挙げられます。
ハルナールの副作用でめまいが起こる理由
ハルナールは、前立腺のα1受容体の中でもα1A受容体を選択的に遮断する作用を持っています。
一方で、α1受容体の中でも、特にα1B受容体は、血管内に多く存在します。
ハルナールは、わずかではありますが、血管のα1B受容体にも遮断作用を示すため、血圧が下がり、めまいやふらつきを起こしやすくなるのです。
ハルナール[タムスロシン]の禁忌
- 特になし