内視鏡前処置薬として使用されるプロナーゼMS[プロナーゼ]の作用機序、特徴、副作用について解説しています。
プロナーゼMS[プロナーゼ]:胃内粘液の溶解・除去薬
プロナーゼMS[プロナーゼ]は、胃内視鏡検査における胃内粘液の溶解・除去薬として、胃内視鏡検査の前処置に使用される薬です。
内視鏡検査の際、より正確な検査結果を得るために、前処置が行われます。
- 胃の中にガスでできた泡の除去
- 胃の粘液の除去
- 胃の運動を抑制
が内視鏡前処置として行われます。
プロナーゼMSは、胃の粘液を取り除く目的で、内視鏡の前処置で使用されています。
プロナーゼMS[プロナーゼ]の作用機序、特徴
内視鏡検査時、胃には自らを守るために多くの粘液が付着しています。
正確な診断を行うために、一時的にこの粘液を取り除き洗浄しなければなりません。
この胃の粘液の主成分は、糖タンパク質のムチンです。
MEMO
プロナーゼMSは、タンパク分解酵素の本体であるため、ムチンのペプチド結合を切断することで、粘液を除去する薬です。
やっくん
プロナーゼMS[プロナーゼ]は、粘液の主成分ムチンのペプチド結合を切断することで、粘液を溶かしさらさらにします。
プロナーゼMSの特徴:常温で投与
プロナーゼMSはタンパク分解酵素のため、低温ではうまく作用しない場合があります。
そのため、使用する際には、直前に常温程度まで戻すとより効果的でしょう。
プロナーゼMSの特徴:炭酸水素ナトリウム[重曹]を同時に服用する理由
炭酸水素ナトリウム[重曹]は、アルカリを示すため制酸薬として使用されています。
プロナーゼMSの至適pHは7~10と弱アルカリ性です。
つまり、プロナーゼの活性を上げるために、炭酸水素ナトリウムが併用されているのです。
プロナーゼMS[プロナーゼ]の副作用
プロナーゼMS[プロナーゼ]は、胃内視鏡検査における胃の粘液の溶解・除去薬として、1995年に発売された薬です。
注意
主な副作用としては、胃出血(0.05%)が挙げられます。
プロナーゼMS[プロナーゼ]の禁忌
- 胃内出血[粘液の除去に伴い、出血が悪化するおそれがあります。]