アタラックス［ヒドロキシジン］作用機序、特徴、副作用

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かゆみ・アレルギーの治療薬、アタラックス［ヒドロキシジン］の作用機序、特徴、副作用について解説しています。

アタラックス［ヒドロキシジン］：花粉症・アレルギー治療薬

アタラックス［ヒドロキシジン］は、花粉症やアレルギー性鼻炎の治療薬として使用されています。

花粉症などのアレルギー反応は、体内で“ヒスタミン”という生理活性物質を放出することが原因で起こります。

ヒスタミンはいくつかのタイプの受容体に結合することで、さまざまな作用を示します。

ここでは、H₁受容体とH₂受容体の2つの作用を考えます。

H₁受容体は、脳や血管に分布しています。

H₂受容体は、胃に分布しています。

ヒスタミンがH₁受容体に結合するとH₁作用、H₂受容体に結合するとH₂作用が認められます。

H₁作用

血管拡張作用、血管透過性亢進作用［起炎症作用］、気管支収縮作用、腸管収縮作用、かゆみ、くしゃみ

H₂作用

胃酸分泌作用、血管拡張作用

花粉症・アレルギーの原因となるヒスタミンは、アレルギー源が体内に入った際に肥満細胞から分泌され、上記のH₁受容体に働くことで、アレルギー源を除去するようにと働きます。

その結果、かゆみやくしゃみ、鼻水などの局所症状が発現するのです。

花粉症やアレルギーの症状は、ヒスタミンのH₁作用によるものです。

MEMO

アタラックスを含む抗ヒスタミン薬は、H₁受容体をブロックすることで、局所症状を抑制します。

やっくん

アタラックス［ヒドロキシジン］はヒスタミンがH₁受容体に結合することを阻害することで、花粉症やアレルギー症状を改善します。

アタラックス［ヒドロキシジン］は、もともとは睡眠薬として使用されていました。

花粉症・アレルギーの治療薬としては、1958年からと古くから使用されています。

同じ用途で使用される薬にレスタミンが挙げられます。

注意

代表的な副作用としては、眠気［2.5％］、倦怠感［1.09％］、口渇［0.53％］などが挙げられます。

アタラックスは、脂溶性が高い薬です。

脂溶性が高い薬は、脳内にも移行するため、脳内に存在するH₁受容体にも働きます。

そのため、H₁作用である“中枢抑制作用＝眠気、ふらつき”を引き起こします。

また、ヒスタミンの結合するH₁受容体とアセチルコリンの結合するアセチルコリン受容体の構造は似ていることが知られています。

そのため、アタラックスは誤ってアセチルコリン受容体にも結合してしまいます。

すると、アセチルコリンが自身の受容体に結合できなくなります。

つまり、アタラックスはアセチルコリンの働きを抑制する
“抗コリン作用＝眠気、排尿困難、眼圧上昇”を持ち合わせているのです。