骨粗しょう症の治療薬、フルスタン、ホーネル[ファレカルシトリオール]の作用機序、特徴、副作用について解説しています。
フルスタン、ホーネル[ファレカルシトリオール]:骨粗しょう症治療薬
フルスタン、ホーネル[ファレカルシトリオール]は、骨粗しょう症の治療薬として使用されています。
骨粗しょう症とは、言葉のごとく骨が粗く脆くなっている病気です。
わかりやすく説明したりするために、よく骨がスカスカな状態と表現されます。
これを骨量[骨密度]の低下と表現します。
そもそも、骨というものは日々新しい骨に作り変わっています。
このことを、骨のリモデリングといい、
新しく骨を作ることを骨形成、骨が分解されることを骨吸収と言います。
この骨のリモデリングのバランスが崩れ、骨吸収>骨形成となる状態が続くと骨粗しょう症になってしまいます。
骨吸収と骨形成のバランスが崩れる原因は、ほとんどの場合が次の2つです。
閉経と加齢です。
それぞれの発症のメカニズムを見てみましょう↓
閉経後骨粗しょう症
女性で骨粗しょう症が多いのは、エストロゲンという女性ホルモンの量が低下するためです。
エストロゲンには骨吸収を抑制することで、骨中のカルシウム量を調節する働きがあります。
閉経後は、エストロゲンの分泌量が急激に下がってしまいます。
すると、骨吸収が促進され骨量[骨密度]が低下してしまうのです。
老年性骨粗しょう症
加齢も骨粗しょう症の原因のひとつです。
骨を強くするために、カルシウムを摂取しなければいけない、ということは皆さんご存知かと思います。
しかし、いくらカルシウムを摂取しても、身体の中に吸収されなければ便の中に出て行ってしまいます。
この吸収に関わっているのが、活性化ビタミンD3です。
活性化ビタミンD3とは、体内のビタミンD3が肝臓・腎臓で水酸化されることで生成されます。
高齢者では、肝臓・腎臓の機能が低下しているため、活性化ビタミンD3量が減少し、カルシウムの吸収が減少、骨量[骨密度」が低下してしまうのです。
やっくん
骨粗しょう症は、女性ホルモンの減少や加齢が原因で骨量[骨密度]が少なくなった病気です。
そのため、高齢の女性がなりやすい病気であることがわかります。
フルスタン、ホーネル[ファレカルシトリオール]の作用機序、特徴
骨粗しょう症の原因のひとつに、活性型ビタミンD3量の減少があります。
活性型ビタミンD3は元々は私たちの体内で合成されます。
紫外線を浴びて、肝臓・腎臓が正常であれば不足することはありません。
しかし、高齢者の場合はどうしても不足しがちになるため、活性型ビタミンD3を薬で摂取する必要が出てくるのです。
フルスタン、ホーネルの中身は活性型ビタミンD3です。
また、代謝物にも活性があるため、持続的な作用を示すことが特徴です。
やっくん
フルスタン、ホーネル[ファレカルシトリオール]は、活性型ビタミンD3としてカルシウムの吸収を促進することで、骨量[骨密度]を増加させます。
フルスタン、ホーネル[ファレカルシトリオール]の副作用
フルスタン、ホーネル[ファレカルシトリオール]は、二次性副甲状腺機能亢進症の治療薬として、2001年に承認を受けた薬です。
骨粗鬆症の適応はありませんが、骨軟化症の改善には適応が取れています。
代表的な副作用としては、高カルシウム血症[14.3%]、高リン血症[3.4%]などが挙げられます。
カルシウム製剤と併用するケースが多いため、高カルシウム血症が起こる場合があります。
高カルシウム血症が生じた場合は、直ちに服用をやめます。
フルスタン、ホーネル[ファレカルシトリオール]の禁忌
- 特になし