乾癬の治療薬のとして使用される薬のひとつが、チガソン[エトレチナート]です。
このページでは、チガソン[エトレチナート]の作用機序、特徴、副作用について解説しています。
チガソン[エトレチナート]:ビタミンA類似薬
チガソン[エトレチナート]は、乾癬などの角化性皮膚疾患の治療に使用されるビタミンA類似製剤です。
乾癬とは?
乾癬とは、皮膚の炎症に加え、表皮のターンオーバーの異常を伴う疾患です。
そのため、皮膚が赤くなり、大量の鱗屑[白いフケのようなもの]を生じます。
[写真は日本皮膚科学会より]
乾癬の原因は、はっきりとはわかっていません。
現時点では、遺伝的な要因に加え、食生活の乱れ・ストレス・糖尿病や脂質異常症といった生活習慣病など様々な環境や疾患が影響していると考えられています。
乾癬の患部においては、炎症性サイトカインであるTNF-αが大量に産生されていることが確認されています。
乾癬の治療では、次の4つが基本となります。
- 外用薬
- 内服薬
- 紫外線療法
- 生物学的製剤
チガソン[エトレチナート]の作用機序、特徴
尋常性乾癬を含む乾癬の治療では薬物療法が中心となります。
中でも外用薬を使った治療が基本です。
外用薬でも効果が不十分の場合に、内服薬や紫外線療法、生物学的製剤の使用を検討します。
効果が不十分な場合の内服薬のひとつが、チガソン[エトレチナート]です。
チガソン[エトレチナート]は、ビタミンAの類似物質です。
外用薬では、 ザーネ軟膏[ビタミンA油]が角化症の治療薬として使用されています。
チガソン[エトレチナート]の作用機序について、はっきりとはわかっていませんが、皮膚のターンーバーを促進することで落屑が増え、正常な上皮の再形成(増殖及び分化)に関与するものと考えられています。
やっくん
チガソン[エトレチナート]の副作用
チガソン[エトレチナート]は、尋常性乾癬や角化症などで治療が無効な方の治療薬として、1985年に承認された薬です。
チガソン[エトレチナート]の主な副作用は、口唇炎[51.5%]、落屑[27.7%]、口内乾燥[24.8%]、皮膚菲薄化[13.7%]、そう痒[12.4%]などが挙げられます。
チガソン[エトレチナート]の禁忌
- 妊婦[催奇形性の症例報告があるため]
- 肝障害
- 腎障害
- チョコラA等のビタミンA製剤
- ビタミンA過剰症
催奇形性の報告があることから、投与後・投与中止後に避妊を継続しなければなりません。
避妊の期間としては、女性は少なくとも2年間、男性は6ヶ月と定められています。