血液検査値のひとつである血糖値[GLU、BS]の読み取り方について、5つの測定方法、薬の副作用との関連性を含め解説しています。
血糖値とは?5つの測定方法について
糖尿病の診断で測定するいわゆる血糖値[GLU、BS]は、食事の内容や時間帯の影響を受けやすいため、なかなか一定の値を得ることができません。
そのため、血糖値の測定方法は次の5つに分かれます。
- 空腹時血糖値:検査日の朝食を抜いた空腹状態に測定
- 随時血糖値:特に時間を指定せずに測定
- 食後血糖値:食事を摂り始めてから2時間後に測定
- 食前血糖値:食事の直前、インスリン投与直前に測定
- OGTT2時間値:14-19時間絶食後ブドウ糖75gを摂取した2時間後に測定
血糖値以外で、長期的な糖尿病の指標として使われるのがグリコヘモグロビン=HbA1c[ヘモグロビンエーワンシー]です。
【血液検査】グリコヘモグロビン[HbA1c]の基準値:高い、低い、薬の副作用
低血糖、高血糖とは?基準値について
血糖値は前述のように測定方法が5つあるため、低血糖状態、高血糖状態と明確な基準はありません。
低血糖
低血糖状態[=60mg/dL未満]になると、発汗や空腹感、手足のふるえ、動悸、大きなあくびなどの自律神経症状が起こります。
食後2-5時間後、空腹時に低血糖を起こすことが多くなります。
命に係わる場合もあるため、緊急時にはブドウ糖の補給が必要となります。
高血糖
空腹時血糖値[GLU、BS]の基準値は、73-109[mg/dL]です。
126[mg/dL]以上になると糖尿病型と診断されます。
随時血糖値やOGTT2時間後値は200mg/dL以上がひとつの基準となっています。
[科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013]
高血糖状態になっても特に自覚症状がない場合が多いので注意が必要です。
血糖値[GLU、BS]と関連する薬剤性の副作用
血糖値[GLU、BS]の値に影響を与える薬剤はいくつか報告されています。
特に抗精神病薬は糖尿病患者には禁忌となっていますので、注意が必要です。
GLU、BS高値を起こす薬剤 | |
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[参考:検査値×処方箋の読み方 他]