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【血液検査】カルシウム[Ca]の基準値:高い、低い、薬の副作用

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採血イラスト

カルシウム[Ca」は、骨や歯の構成成分のひとつです。

私たちの体内にあるカルシウムの99%は骨や歯など硬い組織中に貯蔵されています。

体内に存在する残り1%のカルシウムは、血液凝固や筋肉収縮、神経興奮の抑制、細胞の活性化などさまざま機能を持っているため、体内でのカルシウム濃度は一定に保たれています。

このページでは、血液検査値のひとつ、カルシウム[Ca]の読み取り方を薬の副作用との関連性を含め解説しています。

カルシウムと食品

カルシウム[Ca]は牛乳・乳製品、小魚、野菜に多く含まれます。

ただしカルシウムの吸収率は食品によって異なるので、吸収率も気にしながら摂取することが重要です。

牛乳・乳製品
[吸収率約50%
魚介類
[吸収率約30%]
野菜
[吸収率約18%]
  • 牛乳1カップ:231mg
  • チーズ20g:126mg
  • ヨーグルト1/2カップ:126mg
  • 干しエビ大さじ1:568mg
  • ワカサギ中2尾:225mg
  • 煮干し5尾:220mg
  • 水菜150g:315mg
  • 菜の花1/2束:160mg
  • モロヘイヤ1/2袋:130mg

[栄養の基本がわかる図解辞典]

普段食べる食品にあまり多くのカルシウムが含まれていないため、カルシウム不足はなかなか解消されていません。

毎年厚生労働省によって行われる、国民・健康栄養調査を確認してみましょう!


参考
国民・健康栄養調査厚生労働省

成人でのカルシウム推奨量は650-800mg/日です。

一方で、カルシウムの1日平均摂取量は500mg前後

実際には、どの世代においても不足がちということがわかります。

カルシウムが慢性的に不足すると、血中カルシウム濃度を一定に保つため骨中のカルシウムを血中へ取り込もうとします。[=骨吸収]

すると、骨がスカスカになり骨折や骨粗しょう症を引き起こす可能性が高くなります。

そのため、血清カルシウム[Ca]は食事の影響を受けにくく、基準値は、8.8-10.1mg/dLです。

[日本臨床検査協議会:共用基準範囲2014より]

カルシウム値の補正

血清カルシウム値の約50%はアルブミンと結合しています。

そのため、アルブミン値が4.0以下と低い場合は、Payneの式などで血清カルシウム値を補正する必要があるのです。

補正カルシウム値[mg/dL]=血清カルシウム値[mg/dL]+(4-血清アルブミン値[g/dL])

高カルシウム血症の症状・原因

高カルシウム血症の症状としては、多飲・多尿状態となり脱水を起こすことが多くなります。

高カルシウム血症の主な症状 嘔気・嘔吐、多尿、口渇、便秘、筋力低下、錯乱、昏睡、尿路結石

高カルシウム血症を疑う疾患

  • 副甲状腺機能亢進症
  • 甲状腺機能亢進症
  • 悪性腫瘍

高カルシウム血症を疑う薬剤

  • ビタミンA
  • ビタミンD
  • カルシウム製剤
  • 甲状腺ホルモン
  • タンパク同化ホルモン
  • 性ホルモン

低カルシウム血症の症状・原因

低カルシウム血症の症状は、無症状の場合がほとんどです。

低カルシウム血症の主な症状 しびれ、テタニー、痙攣、脳症、心不全、QT延長

低カルシウム血症を疑う疾患

  • 腎不全
  • 副甲状腺機能低下症
  • VD欠乏
  • Mg欠乏

低カルシウム血症を疑う薬剤

  • フロセミド[ラシックス]
  • 骨粗しょう症治療薬[ベネット、ボナロン、ランマーク、プラリア]

参考書籍

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