体内に存在する60-65%のマグネシウム[Mg」は、骨に含まれています。
残りのマグネシウムは、肝臓や筋肉、血液中でタンパク質と結合し、300種類以上の酵素の働きに関わっています。
このページでは、血液検査値のひとつ、マグネシウム[Mg]の読み取り方を薬の副作用との関連性を含め解説しています。
マグネシウムと食品
マグネシウムは、ミネラルの中ではカルシウムの次に多く体内に含まれるミネラルです。
マグネシウムは、大豆製品や精製されていない玄米、アーモンドなどのナッツ類に多く含まれています。
豆製品 | ナッツ類 | その他 |
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[栄養の基本がわかる図解辞典]
カルシウムを摂る量が多いとマグネシウムは多く排泄されます。
そのため、マグネシウム:カルシウム=1:2で摂取することが最も効率的と言われています。
成人でのマグネシウム推奨量は260-370mg/日です。
通常の食事だけで過剰に摂りすぎることはありませんが、医薬品を摂りすぎることで血中濃度が上がることがあります。
血清マグネシウム[Mg]の基準値は、1.8-2.7mg/dLです。
[日本臨床検査協議会:共用基準範囲2014より]
高マグネシウム血症の症状と原因
血清マグネシウム濃度が4.8mg/dL以上になると、徐脈や吐き気、筋力低下などの症状が起こりやすくなります。
高マグネシウム血症の主な症状
初期症状 | 悪心・嘔吐、口渇、血圧低下、徐脈、皮膚紅潮、筋力低下、傾眠 |
重篤な症状 | 呼吸抑制、意識障害、不整脈、心停止 |
マグネシウムを摂りすぎると腸管からの吸収率が下がる一方で、過剰に吸収されたマグネシウムは腎臓から排泄されます。
そのため、腎機能の低下した高齢者にマグミットなどの酸化マグネシウム製剤を長期間投与した結果、高マグネシウム血症を引き起こすことが報告されています。
参考
酸化マグネシウムによる
高マグネシウム血症について医薬品・医療機器等安全性情報 No.328
低マグネシウム血症の症状と原因
血清マグネシウム濃度が1.5mg/dL以下になると、不整脈やけいれん、吐き気などの症状が起こりやすくなります。
アルコール中毒や高カルシウム血症、脱水状態、薬の副作用などが原因です。
低マグネシウム血症を引き起こす薬剤 |
利尿薬、ステロイド、ゲンタマイシン、シスプラチン |