自律神経障害の薬としてグランダキシン[トフィソパム]が使用されています。
このページでは、グランダキシン[トフィソパム]の作用機序、特徴、副作用について解説しています。
グランダキシン[トフィソパム]:自律神経調整薬
グランダキシン[トフィソパム]は、自律神経の調整薬として使用されています。
自律神経とは、自分の意志では動かせない臓器を支配している交感神経と副交感神経の2つを指します。
例えば、心臓や気管支、消化管の筋肉は自律神経に支配されており、心拍数を一定にしたり、呼吸を調整、胃酸の分泌の調製など、それぞれのバランスを取っています。
この自律神経のバランスが崩れた疾患を自律神経失調症といいます。
自律神経失調症の原因
自律神経失調症の原因は、主に心理的・精神的ストレスです。
交感神経が亢進しているときとは、運動時や物事に集中時、興奮時など身体が緊張状態にあるときです。
副交感神経が亢進しているときとは、睡眠時や食事時など身体がリラックスしている状態にあるときです。
やっくん
つまり、交感神経・副交感神経のバランスは、心理状態に左右されるため、過度のストレスがかかった状態のときに、本来休むべきところで休めずに乱れてしまうのです。
グランダキシン[トフィソパム]の作用機序、特徴
心理的・精神的ストレスによって、交感神経が興奮しつづけ、不安や緊張、イライラを引き起こすことは、脳が興奮していることによります。
脳が休まる場合(=脳が抑制状態)、細胞の中にCl–が流入することで、細胞内がマイナスに傾いています。
このマイナスに傾いた状態を、“過分極”といいます。
過分極の状態の脳は、外からの刺激を受けにくい状態になっているため、脳が休まっている=中枢神経抑制状態にあるのです。
一方で、脳が活動している場合(=脳が興奮状態)、細胞の中にNa+が流入することで、細胞内がプラスに傾いています。
このプラスに傾いた状態を、“脱分極”といいます。
脱分極の状態の脳は、外からの刺激を受けやすい状態になっているため、脳が興奮している=中枢神経興奮状態にあるのです。
グランダキシンは、脳のCl–チャネルを開き、細胞内に流入させることで、脳を抑制状態に持っていきます。
グランダキシンの作用機序は、ω1作用とω2作用の2つの作用により、非常に弱い抗不安作用を示します。
やっくん
グランダキシン[トフィソパム]は、ベンゾジアゼピン受容体のω受容体に作用し、Cl–チャネルを開口することで、脳の働きを抑制し、交感神経と副交感神経バランスを保ちます。
グランダキシン[トフィソパム]の副作用
グランダキシン[トフィソパム]は、自律神経症状の治療薬として1986年に承認を受けた薬です。
代表的な副作用としては、眠気、ふらつき等の精神神経系症状[1.1%]、口渇、悪心・嘔吐、食欲不振、便秘、腹痛等の消化器症状[1.1%]、倦怠感・脱力感[0.3%]などが挙げられます。
グランダキシン[トフィソパム]の禁忌
- 特になし