腎性貧血の薬、エスポー[エポエチンアルファ]の作用機序、特徴、副作用について解説しています。
エスポー[エポエチンアルファ]:腎性貧血治療薬
エスポー[エポエチンアルファ]は、腎性貧血に使用される薬です。
腎性貧血とは、その名の通り腎機能が悪くなることによって、エリスロポエチンの生成量が減少することによって生じる貧血です。
そのため高齢者や、透析患者に多い疾患となります。
エリスロポエチンの不足で起こる腎性貧血は、鉄の不足で起こる鉄欠乏性貧血と同様に、赤血球の産生量が少なくなっています。
つまり、ヘモグロビン量が減り、全身への酸素の供給が不足するため、脳や筋肉、心臓に酸素が行き渡らなくなり、疲れやめまいなど貧血症状を呈するのです。
エリスロポエチン働き
エリスロポエチンの主な働きは、赤血球への分化・増殖を促進することです。
赤血球生成の初期段階に作用し、後期赤芽球前駆細胞に作用してアポトーシスを抑制することで分化・増殖を促進しています。
エスポー[エポエチンアルファ]の作用機序、特徴
エリスロポエチンは、前述の通り血液中の赤血球への分化・増殖を促進する成分です。
エスポーは、エポエチンアルファを成分とするヒトエリスロポエチン製剤であり、腎性貧血に使用されます。
エスポーは、ヒト尿由来のエリスロポエチンと同等の構造特性並びに生物学的性質を持ちあわせています。
エスポーは、後期赤芽球前駆細胞に作用し、アポトーシスを抑制することで、赤血球への分化・増殖を促進します。
やっくん
エスポー[エポエチンアルファ]は、後期赤芽球前駆細胞のアポトーシスを抑制することによって、腎性貧血症状を改善します。
エスポー[エポエチンアルファ]の副作用
エスポー[エポエチンアルファ]は、透析患者による腎性貧血の治療薬として、1990年に発売された古い薬です。
エスポーの副作用としては、血圧上昇[3.74%]、頭痛[0.97%]等が報告されています。
主な臨床検査値異常としては、ALT(GPT)上昇[0.29%]、AST(GOT)上昇[0.25%]、γ-GTP上昇[0.25%]、血清カリウム上昇[0.23%]等が報告されています。
エスポー[エポエチンアルファ]の禁忌
- 特になし