妊娠を考えている女性、妊婦、授乳婦に対する薬の使い方

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妊娠を考えている人、妊婦、授乳婦に対する薬の考え方

薬 

 

妊婦や授乳婦に対する薬の使い方は、添付文書を見るとわかりますが判断がとても難しいです。

 

多くの薬が「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する」と記載されています。

 

この理由は、ラットやマウスといった動物実験に対するデータはあるものの、ヒトに対する疫学研究が市販後ほとんど行われていないことが理由です。

 

そのため、疫学研究などで経験上、妊婦・授乳婦に使用されている薬であっても、添付文書に禁忌と記載されている薬もあります。

 

また実際は、ヒトで催奇形性のない薬剤の72%がいずれかの動物実験で催奇形性が認められたと報告されています。

 

こういった禁忌の薬についても、禁忌の根拠を調べ、必要であればインフォームドコンセントで同意を取り薬剤の投与を検討します。

 

妊婦に対する薬の投与可否の確認方法

妊娠を考えている女性、妊婦さんにどの薬を投与すべきかは以下の手順で確認します。

  1. 添付文書を確認
  2. 同系統の薬の添付文書を確認
  3. 疫学研究があるかを製薬メーカーに確認
  4. 3で分からない場合は、妊娠と薬情報センターや産婦人科診療ガイドラインを活用

妊婦への薬の投与方法:抗アレルギー薬

例として、第二世代抗ヒスタミン薬の評価を見てみましょう!

 

商品名 成分名 添付文書 疫学研究
アレグラ フェキソフェナジン 有益性投与 118134例[FDA:C]
アレジオン エピナスチン なし
アレロック オロパタジン なし
エバステル エバスチン なし
クラリチン ロラタジン

有益性投与
投与しないことが望ましい

1769例[FDA:B]
ザイザル レボセチリジン 有益性投与 917例[FDA:B]
ザジテン ケトチフェン なし
ジルテック セチリジン 917例[FDA:B]
セルテクト オキサトミド

禁忌
ラットでの催奇形性

なし
タリオン ベポタスチン 有益性投与 なし
デザレックス デスロラタジン

有益性投与
投与しないことが望ましい

1769例[FDA:B]
ビラノア ビラスチン 有益性投与 なし

 

第二世代抗ヒスタミン薬の中では、セルテクトが添付文書上禁忌となっています。
また、ほとんどの薬が疫学研究によるヒトでのデータがありません。

 

そのため、妊婦の方に抗アレルギー薬を使用する場合は、禁忌の薬やヒトのデータが不足している薬は避け、ザイザルやアレグラなど疫学研究が行われている製剤を選びます。[2016年時点]

授乳婦に対する薬の投与可否の確認方法

授乳中の授乳婦に対しても妊婦と同じようなことが言えます。
添付文書では、ほとんどの薬が「授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けること」などと記載されています。

 

母乳は、栄養はもちろんのこと、免疫力や認知能力の向上にも寄与しているので、長期間の断乳は望ましくありません。

 

そこで、母親の使用薬剤が子供にどのくらい影響するのかを見るために、”M/P比””RID”といった指標が参考になります。

 

M/P比とは、母乳中への薬物濃度(M:Milk)と血漿中の薬物濃度(P:Plasma)の割合です。
M/P比が1未満の場合は母乳への移行は少ないと言えます。

 

RIDとは、Relative infant doseの略であり、乳汁からの薬剤摂取量と母体の薬剤摂取量の比です。
体重あたりの値であり、RIDが10%未満であれば安全性が高いといわれています。

 

M/P比やRIDは、薬物の蛋白結合率、脂溶性、pKa、分子量などによって薬剤ごとに異なります。

 

母乳移行薬授乳婦 

 

例として、デパス[エチゾラム]とロキソニン[ロキソプロフェンNa]のM/PとRIDを見てみましょう!

  M/P比 RID
デパス 0.150 6.00
ロキソニン 0.012 0.10

 

このように、ほとんどの薬が授乳による影響が少ないことがわかっています。

 

基本的には、添付文書通りの説明をし、服用する頻度が高い薬剤についてはメーカーに問い合わせしM/P比やRIDを確認すると良いでしょう。

 

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