介護保険制度が始まる以前にも、実は、似たような制度がありました。
しかし、当時の制度は、「老人福祉制度」と「老人保健制度」の2つに分かれており非常に複雑でした。
1990年代に入り、少子高齢化といった言葉が使用されるようになり、特に高齢者の介護を家族だけで行うのは難しいと考えるようになりました。
これを受けて2000年に介護保険制度が始まりました。
[内閣府:平成28年版高齢社会白書より]
○○保険と呼ばれるものには、運営側である保険者と加入側である被保険者がありますよね。
社会保険では、保険者は健保組合や協会けんぽ、被保険者が私たちです。
介護保険では、保険者は各市町村であり、被保険者は第1号被保険者と第2号被保険者に分かれます。
第1号被保険者は65歳以上、第2号被保険者は40歳以上65歳未満の方であり生活保護の方を除くほぼ全員が強制的に加入します。
現行では40歳以上が加入者となっていますが、改正のたびに年齢の引き下げが議論されています。
2016年8月の社会保障審議会では、オランダやドイツにならい年齢にかかわらず負担すべきではないかといった議論も出ています。
なぜなら2016年の介護保険にかかる費用は約10兆円、これが2025年には約21兆円必要であると試算されているためです。
介護保険は財源の約50%が保険料、約25%が国費、約25%が都道府県と市町村から成り立っています。
そのため、介護保険料の引き上げだけにとどまらず、今後は35歳や30歳などと被保険者の年齢が段階的に引き下げられる可能性があります。
また、介護費用を抑えるために、介護が必要になる前段階である介護予防や給付適正化に重点を置いて介護保険は改正されています。
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