TPNとは?輸液の違い、特徴や留置時間について

2018年1月31日

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TPNとは?

在宅医療の現場ではTPN患者に出会うことも多くはないですがあるかと思います。
寝たきりのレベルまで落ちてしまい、TPN[中心静脈栄養]を行う場面に遭遇するかと思います。

ただ、いざTPNを始めるとなっても、何を用意したらいいのか困った経験はなかったでしょうか?

薬局薬剤師は、輸液を扱う頻度が少なかったかと思いますので、正直まだ私も慣れていないことが多いです。
なので、よく現場の看護師さんに教えてもらっています(;^ω^)

そんなTPNについて、現場でどのように使われているか、基礎的なことをまとめてみました。

TPNが適応となる患者とは?

消化管がどのくらい機能しているか、栄養剤をどのように摂取するかによって以下のように分類分けされます。

栄養剤分類

胃腸機能が働く場合は経腸栄養剤を、胃腸機能が働かない場合は静脈栄養剤[輸液]が適応されます。

静脈栄養剤[輸液]は、2週間など短期的に行うPPN[末梢静脈栄養]、長期的に行うTPN[中心静脈栄養]に分かれます。

静脈栄養剤のデメリット:経腸栄養剤との違い

  • 感染のリスクが高い[最も注意すべき点]
  • 水分の調節が難しい
  • カロリーが不足する

静脈栄養においては、カテーテル挿入部位で起こる感染が一番のデメリットとなります。

細菌が血管内に侵入し、敗血症で亡くなる方も多いため、できるだけ早い経腸栄養剤への切り替えが推奨されています。

中心静脈カテーテルの種類、留置時間

先ほど、最も注意すべき点が感染と言ったように、中心静脈カテーテル[CVカテーテル]の管理を気を付けなければなりません。

CVカテーテルの種類と留置期間

CVカテーテルは3ヶ月以内の留置期間を目安とする短期留置用カテーテルと、3ヶ月以上留置する場合の長期留置用カテーテルに分かれます。

一般的に、CVカテーテルは鎖骨下静脈から挿入し、先端部を上大静脈に留置します↓

CVカテーテル

[(株)メディコンより引用]

長期留置用カテーテルでは、カテーテルと輸液ラインをつなぐ皮下埋め込みポート[CVポート]を使用する場合があります。[特に在宅の場合]↓

CVポート

[(株)メディコンより引用]

輸液ラインにはインラインフィルターが組み込まれ、接続部を清潔に保つために閉鎖式輸液システムやニードレスコネクターが使用されます。

TPNの投与方法と適切な管理方法

TPNを行う際には、CVカテーテルのほか、輸液ラインが必要です。

輸液ラインには、インラインフィルターや閉鎖式輸液システムやニードレスコネクターが使用されます。

TPNの投与方法

皮下埋め込みポートとフーバー針

長期間TPNを続ける場合、CVポートを埋め込むケースが増えてきます。
なぜなら、CVポートは大きいものでもなく生活に支障を及ぼしにくいからです。

CVポートセプタム

[(株)メディコンより引用]

そのため、在宅におけるTPN=在宅中心静脈栄養法[HPN]では多くの方がCVポートを埋め込み留置しています。

フーバー針穿刺

[(株)メディコンより引用]

CVポートを介したTPNでは、フーバー針[ヒューバー針]をシリコンでできたセプタム部分に穿刺し薬液を注入します。

インラインフィルター

TPNではCVカテーテルと製剤をつなぐ輸液ラインを使用します。

インラインフィルター

[井上善文:静脈経腸栄養 vol29 2, 2014]

輸液ラインには、微生物・微粒子・空気を除去するためにインラインフィルターを使用する場合があります。
親水性と疎水性の0.2μmのフィルターによって、微生物だけでなく空気やガラス片を除去することができます。

閉鎖式輸液システム、ニードレスコネクター

三方活栓などで輸液ラインが開放されていては、容易に微生物が侵入してしまいます。

閉鎖式輸液システムニードレスコネクター側注用Y字管

[井上善文:静脈経腸栄養 vol29 2, 2014]

 
そのため、側注用Y字管を使った閉鎖式輸液システムやニードレスコネクターなどを使用します。

TPNの管理方法

閉塞防止対策

  • 投与時にカテーテルの閉塞がなく、薬液が投与されているか確認します。
  • TPN製剤を投与していない場合は、カテーテル内にヘパリンを注入しヘパリンロックを行います。

感染防止対策

  • CVカテーテルの留置部位[ポート埋め込み部位]は、0.5%を超えるクロルヘキシジンアルコールで消毒します。
  • ドレッシング材を使用します。
  • 留置部位に痛みや汚染がないか観察します。
  • 一体型の輸液ラインを使用します。
  • 輸液ラインを72-96時間ごとに交換します。

代表的なTPN製剤一覧表と使い分け

TPN製剤は、ビタミン・アミノ酸・糖質・電解質・微量元素の種類によって使い分けされます。
基本的には、高カロリー輸液キット製剤を使用し、疾患や病態によってビタミン・アミノ酸・微量元素製剤などを追加、薬剤を変更して調節します。
糖濃度が12-15%程度の輸液を開始液、糖濃度が20%程度の輸液を維持液として使用します。

高カロリー輸液キット製剤一覧表

エルネオパ

フルカリック

ネオパレン

種類

1号

開始液

2号

維持液

1号

開始液

2号

維持液

3号

維持液

1号

開始液

2号

維持液

ブドウ糖
[g]

120

175

120

175

250

120

175

濃度[%]

12

17.5

13.29

17.45

22.67

12

17.5

電解質
[mEq]
Na+

50

50

50

K+

22

27

30

22

27

Mg2+

4

5

10

4

5

Ca2+

4

5

8.5

4

5

Cl

50

49

50

SO42-

4

5

4

5

L-Lac

12(11)

15(14)

30

Ace-

41(39)

50(48)

11.9

47

53

Glu

8.5

Cit3-

8

12

4

12

Suc2-

12

P[mg]

157

187

250

156

187

微量元素
[μmol]
Fe

17.5(10)

Mn

0.5

Zn

30

20

20

Cu

2.5

I

0.5

ビタミン
[mg]
VB1

1.95(3.84)

1.5

1.95

VB2

2.3

2.54

2.3

VB6

2.45(3.675)

2

2.45

VB12[μg]

2.5

5

2.5

ニコチン酸アミド

20

20

20

パンテノール

7

7.02

7

葉酸

0.2(0.3)

0.2

0.2

ビオチン[μg]

30

50

30

VC

50(100)

50

50

VA[IU]

1650

1650

1650

VD[μg]

2.5

5

2.5

VE

5

7.5

5

フィトナジオン

1(0.075)

1

1

アミノ酸
[g]
総遊離アミノ酸

20

30

20

30

40

20

30

窒素

3.13

4.7

3.12

4.68

6.24

3.13

4.7

熱量[cal]

560

820

560

820

1160

560

820

非蛋白熱量/窒素

153

149

154

150

160

153

149

1000mLあたりの数値、( )はNF

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