ビタミンA製剤のひとつが、チョコラA[レチノール/ビタミンA]です。
このページでは、チョコラA[レチノール/ビタミンA]の作用機序、特徴、副作用について解説しています。
チョコラA[レチノール]:夜盲症治療薬
チョコラA[レチノール]は、夜盲症・角膜乾燥症などの眼疾患に使用される薬です。
ビタミンAは、眼疾患のみでなく、皮膚・粘膜などの上皮組織の乾燥に関わっているため、目の乾燥や皮膚の乾燥を引き起こします。
ビタミンAは脂溶性ビタミンであるため、尿から排出されにくく体内に蓄えられ、基本的には不足することはありません。
食事中には、レバーやニンジン、ホウレンソウに多く含まれています。
ビタミンAの不足は、発育期や妊娠・授乳期、甲状腺異常などの消耗性疾患、吸収代謝が阻害される内臓疾患時など特定の場合に起こります。
チョコラA[レチノール]の作用機序、特徴
ビタミンAは、前述の通り眼疾患、および、皮膚の上皮組織に働きます。
チョコラAは、ビタミンA油であり、ビタミンAの欠乏症に使用されます。
チョコラAに含まれるビタミンAには、以下2つの作用があるとされています。
ビタミンAの働き①:ロドプシンの合成
眼に対しては、ロドプシンと呼ばれる暗順応に関わるタンパク質の生成に関わっています。
暗順応とは、明るい場所から暗い場所へ入った場合に、しだいに眼が慣れていく反応です。
チョコラAの成分レチノールからは、必要に応じてレチナールが生成されます。
明るい場所から暗い場所へ入ると、レチナールから光を感知するロドプシンが合成されます。
ビタミンAの働き②:皮膚のターンオーバー促進
皮膚に対しては、皮膚のターンオーバーを促進する作用があります。
皮膚のターンオーバーとは、新しい皮膚の生成から4週間後に脱落するまでの生まれ変わりの過程のことを指します。
チョコラAの成分レチノールは、皮膚のターンオーバーを遅延させる硫酸コレステロールの合成を抑制するため、皮膚のターンオーバー遅延による皮膚の角化を抑制できるのです。
やっくん
チョコラA[レチノール]は、ロドプシン合成作用・皮膚のターンオーバー促進作用によって、眼疾患や皮膚疾患症状を改善します。
チョコラA[レチノール]の副作用
チョコラA[レチノール]は、角膜乾燥症などの眼疾患治療薬として、1951年に発売された古い薬です。
チョコラAの副作用としては、過剰症である大泉門膨隆、神経過敏、頭痛、食欲不振、嘔吐、肝腫大、脱毛、そう痒感、体重増加停止、四肢痛、骨痛、関節痛などが知られています。
チョコラA[レチノール]の禁忌
- 妊娠3カ月以内又は妊娠を希望する婦人
- チガソン[エトレチナート]
- ベサノイド[トレチノイン]
- アムノレイク[タミバロテン]