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レミッチ、ノピコール[ナルフラフィン]作用機序、特徴、副作用

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腎臓イラスト

腎臓、肝臓疾患の際のそう痒症治療薬、レミッチ、ノピコール[ナルフラフィン]の作用機序、特徴、副作用について解説しています。

レミッチ、ノピコール[ナルフラフィン]:そう痒症治療薬

レミッチ、ノピコール[ナルフラフィン]は、血液透析患者や慢性肝疾患患者のそう痒症の治療薬です。

透析患者や肝不全の患者の半分以上は、身体の痒みに悩まされていることが知られています。

透析患者が痒みを生じる理由

透析患者では、約70%以上の割合で痒みを生じます。

しかし、この痒みの機序の詳細はわかっていませんが、皮膚の乾燥尿毒症性物質がひとつの原因ではないかと考えられています。

透析患者の痒みの特徴は、一般的なそう痒薬である抗ヒスタミン薬が効果がない場合が多いため治療が困難な場合が多いのです。

肝不全、肝硬変患者が痒みを生じる理由

肝不全や肝硬変患者では、特に女性において痒みが生じやすくなります。

肝疾患による痒みは、肝機能低下によって胆汁がうまく排出されない[胆汁うっ滞]ために起こるとされています。

最近では、リゾホスファチジン酸が痒みの原因ではないかといった論文が発表されています。

[滝川 一:第48回日本胆道学会学術集会 胆汁酸に魅せられて

レミッチ、ノピコール[ナルフラフィン]の作用機序

透析時や肝臓疾患時の慢性的な痒みは、抗ヒスタミン薬や塗り薬が効果がないことが少なくありません。

MEMO

レミッチ、ノピコールは、抗ヒスタミン薬とは異なる作用機序を有するそう痒症治療薬です。

レミッチ、ノピコールの有効成分はどちらもナルフラフィンです。

レミッチは鳥居薬品、ノピコールは東レメディカルが製造販売元であり中身は同一です。

痒みには、局所的に生じる末梢性の痒みと全身に生じる中枢性の痒みがあります。

MEMO

透析時や肝臓疾患時の痒みは、中枢性の痒みです。

中枢性の痒みには、モルヒネ様構造を持つオピオイド物質が関与していると考えられています。

なぜなら、透析患者ではβ-エンドルフィンが、肝臓疾患患者ではエンケファリン、エンドモルフィン-1といったオピオイド物質の増加が確認されているためです。

エンドルフィンμ受容体痒み

これらオピオイド物質が原因と考えられているため、抗ヒスタミン薬で効果不十分の場合が多いのです。

β-エンドルフィン、エンケファリン、エンドモルフィン-1はいずれもオピオイドミュー(μ)受容体の作動物質です。

レミッチ、ノピコールはオピオイドカッパ(κ)受容体に働き、オピオイドμ受容体を抑制する働きを持っています。

オピオイドμが抑制される作用機序は、オピオイドκ受容体がオピオイドμ受容体と作用が拮抗することによります。

レミッチ作用機序

レミッチ、ノピコールはオピオイドκ受容体のアゴニストとして働くことで、かゆみの防御作用を高め、エンドルフィンによるかゆみ発現を無効化するのです。

レミッチ、ノピコール作用機序

やっくん

レミッチ、ノピコール[ナルフラフィン]は、オピオイドκ受容体に作用し、オピオイドμ受容体の作用を抑制することで、透析時や肝臓疾患時の痒みを改善します。

レミッチ、ノピコール[ナルフラフィン]は、かゆみに対して即効性というよりは2週間から1ヶ月後に著効するケースが多い薬剤になります。

レミッチ、ノピコール[ナルフラフィン]の副作用

レミッチ、ノピコール[ナルフラフィン]は、血液透析患者や慢性肝疾患患者のそう痒症治療薬として、2009年に発売された薬です。

2017年には、服用性の改善目的でレミッチOD錠が新たに発売されています。

これまでレミッチカプセルは一包化ができませんでしたが、レミッチOD錠は一包化が可能となっています。[粉砕は不可です]

注意

主な副作用としては、不眠[15.8%]、便秘[4.8%]、眠気[3.1%]、プロラクチン上昇[3.1%]などが報告されています。

副作用の不眠は、服用時点を眠前から夕食後に変更すると改善することもあると報告されています。

レミッチ、ノピコール[ナルフラフィン]の禁忌

  • 特になし

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