ジャクスタピッド[ロミタピド]作用機序、特徴、副作用

2018年8月14日

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ジャクスタピッド[ロミタピド]:脂質異常症[高脂血症]治療薬

ジャクスタピッド[ロミタピド]は脂質異常症[高脂血症]の中でもホモ接合体家族性高コレステロール血症に使用される治療薬です。

脂質異常症は、糖尿病や高血圧と同様に、メタボリックシンドロームの診断基準に加えられる生活習慣病です。

血液中のLDL-コレステロール[悪玉コレステロール]やトリグリセリド[中性脂肪]が多かったり、HDL-コレステロール[善玉コレステロール]が少なくなっている状態を指します。

これらは、特に自覚症状がありませんが、主に血管が硬くなることで動脈硬化を引き起こしたり、血管の損傷や詰まりが起こりやすくなります。

そのため、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞、脳出血などの血管に関連する疾患のリスクを高めるのです。

脂質異常症[高脂血症]の原因

脂質異常症は、生活習慣病と言われることから、その原因は食事と運動です。

食事では、脂のイメージが高い肉類だけでなく、ご飯やパン、スイーツなどの糖質も原因のひとつです。

なぜなら、必要以上の糖質は体内の脂肪合成に使用されるからです。

糖質脂肪酸合成

また、運動はカロリーの消費のみでなく、悪玉LDL-コレステロールを減らし、善玉HDL-コレステロールを増やす働きがあります。

脂質異常症[高脂血症]の原因:家族性高コレステロール血症[FH]

脂質異常症の中でも生活習慣に関係なく、子供の頃からLDL-コレステロールが高値を示す家族性高コレステロール血症もあります。

私たちは、父親由来のコレステロール調節遺伝子と母親由来のコレステロール調節遺伝子と2つの遺伝子を受け継いでいます。

その際にどちらも変異した遺伝子を受け継ぐ場合をヘテロ接合体、どちらかの変異した遺伝子を受け継ぐ場合をホモ接合体と言います。

ホモ接合体 ヘテロ接合体
発生頻度 100万人に1人 500人に1人
検査値 LDL-C=500mg/dL以上
Total-C=600mg/dL以上
LDL-C=180-400mg/dL
症状 男性では30-50歳、女性では50-70歳の間に冠動脈疾患を発症する場合が多い 将来、心筋梗塞などの冠動脈疾患にかかりやすく、死亡率が10倍程度高くなる
特定疾患・難病指定 あり なし

ジャクスタピッド[ロミタピド]の作用機序、特徴

脂質異常症の患者は、その原因である食事の改善や適度な運動が推奨されています。

それでも、十分にコレステロールや中性脂肪の数値が改善しない場合に、薬を服用します。

家族性高コレステロール血症[FH]の場合は生活習慣の改善だけでなく、薬物治療も積極的に導入されます。

特にホモ接合体家族性高コレステロール血症の場合は、LDL-コレステロールが500mg/dLを超えることも少なくありません。

ジャクスタピッドは、肝細胞のVLDLや小腸細胞のカイロミクロンの形成を阻害する作用を持ち、脂質異常症の治療薬として使用されます。

ジャクスタピッドの作用機序の前に、コレステロールが体内でどのように合成されるのかを確認してみましょう!

家族性高コレステロール血症[FH]の原因

血液中のコレステロールは、通常肝臓内や組織内へ取り込まれることで循環しています。

肝臓コレステロール循環

肝臓や組織に取り込む際に働くのが、LDL受容体です。

家族性高コレステロール血症[FH]の方は、このLDL受容体が欠損したり変異していることが原因です。

特に肝臓のLDL受容体がうまく働かないため、LDLの循環が上手くいかず血中に留まったままになるのです。

ジャクスタピッド[ロミタピド]は、ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質[MTP]を阻害する作用を持っています。

MTPは、小腸においてはカイロミクロンの形成に、肝細胞においてはVLDLの形成を触媒するタンパク質です。

MTP作用

MTPを阻害することでカイロミクロン、VLDLの脂質代謝を阻害し、最終的に血中LDL-コレステロールを低下させるのです。

ジャクスタピッド作用機序

 

やっくん

やっくん

ジャクスタピッド[ロミタピド]は、カイロミクロン、VLDLの代謝に関わるMTPを阻害することで、LDL-コレステロールの生成を抑制します。

ジャクスタピッド[ロミタピド]の副作用

ジャクスタピッド[ロミタピド]は、脂質異常症の中でもホモ接合体家族性高コレステロール血症の治療薬として、2016年に発売された薬です。

主な副作用としては、下痢[79%]、悪心[62%]、嘔吐[31%]、腹部不快感[28%]、消化不良[24%]及び腹痛[24%]などが報告されています。

ジャクスタピッドの警告事項:肝機能障害の発現に注意

ジャクスタピッドは、臨床試験において肝機能障害の副作用が高頻度で認められています。

この重篤な肝機能障害は、肝臓からのVLDL分泌が阻害されることで、肝臓内に脂肪が蓄積されることが原因ではないかと考えられています。

そのため、添付文書では以下のように警告されています。

ジャクスタピッド投与により、肝機能障害が発現するため、肝機能検査を必ず投与前に行い、投与中においても投与開始から1年間は、増量前もしくは月1回のいずれか早い時期に肝機能検査(少なくとも AST(GOT)と ALT(GPT))を実施すること。
2年目以降は少なくとも 3ヵ月に1回かつ増量前には必ず検査を実施すること。
肝機能検査値の異常が認められた場合にはその程度及び臨床症状に応じて、減量又は投与中止等適切な処置をとること。

ジャクスタピッドの用法が夕食間である理由

ジャクスタピッドは夕食後2時間以上の間隔を空けて=夕食間に服用するよう用法が定められています。

ジャクスタピッドを夕食間に服用する理由は、臨床試験において食直後に服用したときに胃腸障害の発現割合が高くなる傾向があるためです。

ジャクスタピッド[ロミタピド]の禁忌

  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
  • 中等度又は重度の肝機能障害
  • 血清中トランスアミナーゼ高値
  • 中程度又は強いCYP3A阻害作用を有する薬剤
強いCYP3A阻害剤 中程度のCYP3A阻害剤
  • クラリスロマイシン(クラリス)
  • インジナビル(クリキシバン)
  • イトラコナゾール(イトリゾール)
  • ネルフィナビル(ビラセプト)
  • サキナビル(インビラーゼ)
  • テラプレビル(テラビック)
  • ボリコナゾール(ブイフェンド)
  • リトナビル含有製剤(ノービア、カレトラ、ヴィキラックス)
  • コビシスタット含有製剤(スタリビルド)
  • アプレピタント(イメンド)
  • アタザナビル(レイアタッツ)
  • シプロフロキサシン(シプロキサン)
  • クリゾチニブ(ザーコリ)
  • ジルチアゼム(ヘルベッサー)
  • エリスロマイシン(エリスロシン)
  • フルコナゾール(ジフルカン)
  • ホスアンプレナビル(レクシヴァ)
  • イマチニブ(グリベック)
  • ベラパミル(ワソラン)
  • イストラデフィリン(ノウリアスト)
  • ミコナゾール(フロリードゲル経口用、フロリードF注)
  • トフィソパム(グランダキシン)

 

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