ロヒプノール、サイレース［フルニトラゼパム]作用機序、特徴、副作用

中間型の睡眠薬として使用される薬のひとつがロヒプノール、サイレース［フルニトラゼパム]です。

このページでは、ロヒプノール、サイレース［フルニトラゼパム]の作用機序、特徴、副作用について解説しています。

ロヒプノール、サイレース［フルニトラゼパム]：不眠症治療薬

ロヒプノール、サイレース［フルニトラゼパム］は、不眠症の治療薬として使用されています。

私たちが睡眠をとる際のメカニズムは複雑で、はっきりとはわかっていません。

しかし、その複雑なうちの一つ、脳を休める作用（＝興奮状態にある脳が抑制状態になる）は解明されています。

ロヒプノール、サイレース［フルニトラゼパム］の作用機序、特徴

不眠症の種類は主に次の4つのパターンに分けられます。

自分がどの不眠症のタイプなのか、それぞれの症状に合わせて不眠症の薬を使い分けます。

不眠症に用いられる薬のほとんどは、ベンゾジアゼピン基といった骨格を持っており、ベンゾジアゼピン作動性睡眠薬と分類されています。

ベンゾジアゼピン作動性睡眠薬は作用時間［半減期］によってさらに、超短時間型・短時間型・中間型・長時間型の4つに分類・使い分けされています。

ベンゾジアゼピン作動性睡眠薬は、ベンゾジアゼピン結合部位に結合し、Cl^–チャネルを開口し、過分極状態になるため、脳を休める催眠作用があります。

このベンゾジアゼピン結合部位には、ω₁・ω₂受容体と2つの結合部位が関係しています。

ベンゾジアゼピン作動性睡眠薬は、 ω₁、ω₂受容体と2つの受容体に結合し作用します。

ロヒプノール、サイレースは睡眠薬の中でも、中間型に属するため、服用後12～24時間程度効果が持続します。

ロヒプノール、サイレース［フルニトラゼパム］の特徴：水に溶けると青く着色する

ロヒプノールやサイレースなどのフルニトラゼパムは、強い催眠作用から犯罪行為に使用されるケースが報告されていました。（そのためフルニトラゼパム製剤は、デートレイプドラッグとの呼ばれます）

そのため、以前は無色だった製剤ですが、犯罪などで悪用されないように淡青色に着色されています。

今回ロヒプノールの経過措置終了に伴って、試しに水に溶かしてみたところ、思った以上に水が青く染まりました。

ロヒプノール、サイレース［フルニトラゼパム］の副作用

ロヒプノール、サイレース［フルニトラゼパム］は、不眠症の治療薬として、1984年に承認を受けた薬です。

また、ロヒプノール、サイレースには、退薬・離脱症状［薬の服用を急に止めると起こる精神的な副作用＝痙攣発作、譫妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等］があると言われているため、服用を中止するときは、徐々に減量します。

耐性［徐々に薬が効かなくなる作用］について、ベンゾジアゼピン作動性睡眠薬であるロヒプノール、サイレースは、ベンゾジアゼピン作動性睡眠薬以外の睡眠薬と比較して、形成しやすいとされています。

ロヒプノール、サイレース［フルニトラゼパム］の禁忌

• 急性狭隅角緑内障
• 重症筋無力症［筋弛緩作用により、症状を悪化させるおそれがあります。］
• 肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期等で呼吸機能が高度に低下