在宅医療という言葉が生まれたのは比較的最近で1986年に誕生したと言われています。今後薬局経営の中心となる在宅医療についてまとめています。
在宅医療の歴史
在宅医療という言葉が生まれたのは比較的最近です。
定期的に患者の家を訪問することを目的に1986年に誕生したと言われています。
[在宅医療研究所:http://www.home-medical.co.jp/first.html]
そのため、在宅医療=訪問医療や訪問診療とも呼ばれます。
その在宅医療ですが、注目されはじめたのは2000年を過ぎたころからでしょうか?
国の方針で、在宅医療へのシフトが推進されてきたからです。
最近では、在宅医療は薬局の機能の中になくてはならない必須の機能として位置づけされています。
在宅医療の実際-イメージとのギャップ-
私は、新卒時の調剤薬局、転職時の医薬品メーカーにおいて全く在宅医療に関わる機会がありませんでした。
もちろん、大学時代の薬局実習においても関わりはありません。
なので在宅医療とは漠然としたイメージであり、
上記のような疑問がありました。
実際に、在宅医療に携わるようになりイメージとのギャップが激しかったです。
在宅医療で私が経験したギャップ、イメージと異なる点は以下の通りです。
- 飲み忘れ・取り間違い防止のため薬は全て一包化する
- 処方箋はその場で医師に記載してもらう
- 医師に薬の提案ができる
- 施設在宅の場合、服薬指導は施設スタッフさんに行う
薬剤師が在宅医療に介入するケース
薬剤師が在宅医療に介入する場合は、大きく次の4つに分かれます。
- 医師からの依頼
- ケアマネージャーさんや訪問看護師さんからの依頼
- 病院からの依頼
- 薬剤師からの提案
1.医師からの依頼
患者さんが医師に在宅往診の依頼をし、薬剤師の必要性を医師が感じた場合に依頼が来ます。
2.ケアマネさんや訪看さんからの依頼
家族がお薬を取りに行けない、お薬が飲めていない、管理ができていないなど問題がある場合に依頼が来ます。
薬剤師の必要性があると判断した場合、薬剤師が医師に提案します。
3.病院からの依頼
患者さんの退院が決まり、在宅医療へと移行する場合、退院時カンファレンスが行われます。
薬剤師も今後の治療方針やご家族さんの意向を聞くために参加する場合があります。
4.薬剤師からの提案
患者さんの家族や、施設のスタッフから薬の管理が難しいと相談があり、薬剤師が医師に提案します。
このような形で医師から在宅医療への指示を頂くことで、薬剤師は介護保険あるいは医療保険の在宅医療を提供することができるのです。
医師からの指示があった後については、患者さん家族からの同意書や薬学的管理指導計画書の作成を行います。
以前は、医師や病院からの依頼で薬局が介入するケースがほとんどでしたが、最近では介護職の方や訪問看護師から薬剤師の介入を提案するケースが増えています。
また、都市部においては、薬局側から病院の地域連携室や介護施設へ営業をかけることで、積極的に在宅の患者さんを取りに行くところも増えてきています。