胃腸運動機能の抑制作用を持つブスコパン[スコポラミン]は、腹痛などの内臓痛で使用されます。
このページでは、ブスコパン[スコポラミン]の作用機序、特徴、副作用について解説しています。
ブスコパン[スコポラミン]:胃腸運動機能抑制薬
ブスコパン[スコポラミン]は消化管における痙攣・過剰な胃腸運動の抑制薬として、胃内視鏡検査の前処置に使用されたり、腹痛などの内臓痛に使用される薬です。
また、内視鏡検査時にも使用されることがあります。
内視鏡検査の際、より正確な検査結果を得るために前処置が行われます。
- 胃の中にガスでできた泡の除去
- 胃の粘液の除去
- 胃の運動を抑制
が前処置として行われます。
ブスコパンは、抗コリン作用を持つため、胃の運動を抑制する目的でよく内視鏡の前処置で使用されています。
ブスコパン[スコポラミン]の作用機序、特徴
内臓痛とは、筋肉の痙攣状態によって引き起こされる痛みです。
また、消化管が痙攣状態を起こしていたり、運動機能が亢進している場合というのは、副交感神経が亢進していることが原因です。
つまり、アセチルコリンの過剰な働きが原因で、胃腸運動が促進され、痙攣を引き起こすのです。
ブスコパンは、アセチルコリンが平滑筋にあるムスカリン受容体に結合することを防ぐ抗コリン作用を持ち、アセチルコリンの働きを抑える薬です。
内視鏡の検査時に、胃腸運動が活発であると、正確な検査ができません。
アセチルコリンの働きを抑えて、胃腸運動を一時的に抑制することを目的にブスコパンは内視鏡検査時の前処置として使用されているのです。
また、過剰な胃腸運動を抑制することで、腹痛症状の改善のためにも使用されます。
やっくん
ブスコパン[スコポラミン]は、腹部のアセチルコリンが分泌される神経節に作用することで、抗コリン作用を示し、痙攣・過剰な運動を抑制します。
ブスコパン[スコポラミン]の副作用
ブスコパン[スコポラミン]は、消化管の痙攣抑制および、運動機能抑制薬として、1956年に発売された薬です。
主な副作用としては、口渇[9.4%]、便秘[4.4%]、眼の調節障害[1.7%]、心悸亢進[1.4%]、鼓腸[0.65%]などが挙げられます。
ブスコパン[スコポラミン]の禁忌
- 出血性大腸炎
- 緑内障
- 前立腺肥大による排尿障害
- 重篤な心疾患
- 麻痺性イレウス
- 細菌性下痢