内視鏡前処置薬として使用されるミンクリア[l-メントール]の作用機序、特徴、副作用について解説しています。
ミンクリア[l-メントール]:胃蠕動運動抑制薬
ミンクリア[l-メントール]は内視鏡検査における胃蠕動運動の抑制薬として、胃内視鏡検査の前処置に使用される薬です。
内視鏡検査の際は、より正確な検査結果を得るために前処置が行われます。
- 胃の中にガスでできた泡の除去
- 胃の粘液の除去
- 胃の運動を抑制
が前処置として行われます。
ミンクリアは、胃の運動を抑制する目的で、内視鏡の前処置で使用されています。
ミンクリア[l-メントール]の作用機序、特徴
内視鏡の検査時に、胃腸運動が活発であると、正確な検査ができません。
そのため、胃腸運動を抑制する薬として、ブスコパンやグルカゴンGノボ注射が使用されてきました。
しかし、ブスコパンは抗コリン作用を持つことから、排尿障害を持つ方などには使用できません。
グルカゴンGノボ注射は褐色細胞腫の方には使用できず、血糖上昇作用も考慮しなければなりません。
これらの背景から、胃の蠕動運動を抑制する作用のあるペパーミントオイルが院内製剤で使用されてきました。
ペパーミントオイルの院内製剤も懸濁性の問題から用時調製しなければならないという欠点がありました。
そこで開発された薬が、ミンクリアです。
ミンクリアは、ペパーミントオイルの主成分であるl-メントールを散布液という形で製剤化した薬になります。
l-メントールは、平滑筋の細胞膜上にある電位依存性L型Ca2+チャネルに結合することにより、Ca2+の細胞内への流入が遮断され、平滑筋を弛緩させると考えられています。
やっくん
ミンクリア[l-メントール]は、Ca2+チャネルに作用することで、平滑筋を弛緩し、胃の蠕動運動を抑制します。
ミンクリア[l-メントール]の副作用
ミンクリア[l-メントール]は、上部消化管内視鏡検査における胃蠕動運動の抑制薬として、2011年に発売された薬です。
主な副作用としては、下痢、血中アミラーゼ増加[各1.70%]、白血球数増加[1.02%]、上室性期外収縮、心室性期外収縮[各0.68%]などが挙げられます。
ミンクリア[l-メントール]の禁忌
- 特になし