メレックス［メキサゾラム］作用機序、特徴、副作用

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抗不安薬の中でも作用が強い薬に分類されるのがメレックス［メキサゾラム］です。

今回は、メレックス［メキサゾラム］の作用機序、特徴、副作用について解説しています。

メレックス［メキサゾラム］：抗不安薬

メレックス［メキサゾラム］は、イライラなどの抗不安薬として使用されています。

不安や緊張、イライラ状態というのは、脳が興奮している状態です。

脳が休まる状態（＝脳が抑制状態）

脳が休まる場合（＝脳が抑制状態）、細胞の中にCl^–が流入することで、細胞内がマイナスに傾いています。

中枢抑制過分極

このマイナスに傾いた状態を、“過分極”といいます。

過分極の状態の脳は、外からの刺激を受けにくい状態になっているため、脳が休まっている＝中枢神経抑制状態にあるのです。

脳が活動している状態（＝脳が興奮状態）

一方で、脳が活動している場合（＝脳が興奮状態）、細胞の中にNa⁺が流入することで、細胞内がプラスに傾いています。

中枢興奮脱分極

このプラスに傾いた状態を、“脱分極”といいます。

脱分極の状態の脳は、外からの刺激を受けやすい状態になっているため、脳が興奮している＝中枢神経興奮状態にあるのです。

脳が興奮状態にあるのは、不安・緊張・イライラだけでなく不眠時にも当てはまります。

そのため、抗不安薬と睡眠薬は同じように作用する場合が多いのです。

やっくん

抗不安薬は、脳を休める（抑制する）方向に持っていくため、脳のCl^–チャネルを開き、細胞内に流入作用することで、催眠作用を示すものがほとんどです。

不安や緊張・イライラとは、前述のように、脳の過剰な働き/活動が原因で起こります。

そのため、脳の働きを抑えるために、ベンゾジアゼピン結合部位ω₂受容体に作用し、Cl^–チャネルを開ける、ベンゾジアゼピン作動性抗不安薬が主に使用されています。

MEMO

メレックスは、ベンゾジアゼピン作動性抗不安薬に分類されます。

ベンゾジアゼピン作動性抗不安薬には、開発段階で、セレナール［オキサゾラム］、セパゾン［クロキサゾラム］が使用されていました。

より効果的に、そしてふらつきなどの副作用が少ない薬として開発された薬がメレックスです。

メレックスもω₁作用とω₂作用の2つを持ち合わせる抗不安薬です。

やっくん

メレックス［メキサゾラム］は、ベンゾジアゼピン受容体のω受容体に作用し、Ｃl-チャネルを開口することで、脳の働きを抑制し、不安症状・緊張状態を改善します。

メレックスはベンゾジアゼピン作動性抗不安薬の中でも、半減期が長い長時間型に該当します。

半減期は60～80時間程度ですが、定常状態を保つために、1日3回で使用されるケースが多くなります。

メレックス［メキサゾラム］は、不安や緊張の治療薬として、1984年と比較的古くに発売された薬です。

注意

よくある副作用としては、眠気［3.90％］、ふらつき［1.29％］、倦怠感［0.54％］、めまい［0.43％］、傾眠［0.31％］、口渇［0.20％］等が報告されています。

また、メレックスは、ベンゾジアゼピン作動性抗不安薬のため、依存性・退薬・離脱症状［薬の服用を急に止めると起こる精神的な副作用＝痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等］があらわれることがあります。

そのため、投与を中止する場合には、徐々に減量するなどの対策講じなければなりません。