ファンギゾン［アムホテリシンB］作用機序、特徴、副作用

真菌の治療薬、ファンギゾン［アムホテリシンB］の作用機序、特徴、副作用について解説しています。

ファンギゾン［アムホテリシンB］：ポリエン系抗真菌薬

ファンギゾン［アムホテリシンB］は、カンジダなど真菌に対する治療薬として使用されています。

真菌は、細菌・ウイルスとは全くの別物になります。

細菌・ウイルスとは？

細菌とウイルスでは、構造が全く異なるため増殖過程も異なります。

細菌の構造は、真ん中に核を持ち、核は細胞質、細胞膜、細胞壁に覆われており複雑です。

タンパク質の合成に必要なリボソームや小胞体、エネルギー代謝に必要なミトコンドリアを持つものもあります。

ウイルスの構造は、真ん中に核を持ち、核はカプシドと呼ばれるタンパク質の殻とエンベロープと呼ばれる膜に覆われているのみであり単純です。

それでは、真菌についてはどうでしょうか？

実は真菌の方がさらに複雑な構造をしているのです。

真菌は真核細胞に分類され、カビや酵母・キノコなどが分類されています。

感染症とは？

私たちの身の回りには、さまざまな細菌やウイルスなどの微生物が潜んでいます。

しかし、これらの微生物にすぐに感染するかと言うとそうではないですよね。

感染が成立するには、抵抗力と感染力どちらが強いかが重要になってきます。

新生児や高齢者は抵抗力が弱いため、少量の細菌やウイルスで感染してしまいます。

抗生物質や抗ウイルス薬では、微生物そのものを死滅させる作用を持つもの、微生物の増殖過程を阻害するものに分かれます。

ファンギゾン［アムホテリシンB］の作用機序

ひと昔前は、結核菌など感染症にかかってしまっても対症療法しか選択できず、多くの患者が命を落としていました。

感染症の治療薬として、ペニシリンが発見されて以降多くの抗菌薬［抗生物質］が開発されています。

ファンギゾンの作用機序は、アゾール系抗真菌薬に似ており真菌の細胞膜に直接作用します。

細菌の細胞膜が脂質二重層からなるのに対し、真菌の細胞膜はエルゴステロールからできています。

アゾール系抗真菌薬は、エルゴステロール合成酵素［14α位脱メチル酵素］であるP450を阻害することで、エルゴステロールの生成過程を阻害します。

ファンギゾンの作用機序は、エルゴステロールと直接結合し真菌の細胞膜に機能障害を与え細胞質成分が漏出することで、抗真菌作用を示します。

ファンギソンシロップ［［アムホテリシンB］の飲み方、うがい・含嗽について

ファンギソンシロップは保険適応上は内服薬です。

メーカーの指導箋には原液を口腔内にまんべんなく行き渡らせた後に飲み込むとされています。

しかし、1回の投与量が1mL程度であることを踏まえるとなかなか難しく、実際は適応外でうがい［含嗽］をするケースが多くなります。

うがいをする場合は、50-100倍に希釈し、15-30秒間うがいを行います。

50-100倍に調整した希釈液は約1週間程度安定であるため、ファンギソンシロップ5-10mLに精製水を加えて500mLに調製して使用します。

ファンギゾン［アムホテリシンB］の副作用

ファンギゾン［アムホテリシンB］は、消化器内のカンジダ菌治療薬として、1975年に承認された薬です。

ファンギゾン［アムホテリシンB］の禁忌

• 特になし