去痰薬の中で気道粘液潤滑薬に分類される薬がムコソルバン、ムコサール[アンブロキソール]です。
このページでは、ムコソルバン、ムコサール[アンブロキソール]の作用機序、特徴、副作用について解説しています。
ムコソルバン、ムコサール[アンブロキソール]:去痰薬
ムコソルバン、ムコサール[アンブロキソール]は、かぜや気管支炎時の去痰薬として使用される治療薬です。
痰は、基本的には異物を外に排出しようとして起こる生理現象です。
例えば、かぜを引いたとき、ウイルスが気道・気管支内に侵入します。[上図①]
気道内では、ウイルスを外に排出するための粘液が免疫反応によって生成されます。[上図②]
免疫反応によって、ウイルスを取り込んだ粘液=痰を生成するのです。[上図③]
ムコソルバン、ムコサール[アンブロキソール]の作用機序、特徴
痰は、異物を外に排出するため、ヒトにとって重要な生理現象です。
とはいえ、痰が溜まることで激しい咳を引き起こしたり、息苦しさ、また痰の詰まりで死に至ることもあります。
そのため、去痰薬が使用されるのです。
ムコソルバン、ムコサールは、気道壁を潤滑にして痰を出しやすくする去痰薬です。
ムコソルバン、ムコサールは、以下の3つの作用を示します。
- サーファクタント(肺表面活性物質)分泌促進作用
- 気道液分泌促進作用
- 線毛運動亢進作用
ムコソルバン、ムコサールは、以上3つの作用を示し痰の滑りを良くします。
やっくん
ムコソルバン、ムコサール[アンブロキソール]は、痰の滑りを良くすることで、痰の排出を促進し、痰症状を改善します。
ムコソルバン、ムコサール[アンブロキソール]とムコダイン[カルボシステイン]の併用
ムコソルバン、ムコサールの有効成分であるアンブロキソールは、痰の滑りを良くすることで気道粘液潤滑薬に分類されています。
一方で、ムコダインの有効成分であるカルボシステインは、痰の構成成分に作用することで気道粘液修復薬に分類されます。
痰の症状が強い場合は、この作用機序が異なる2剤の去痰薬を併用することがあります。
ムコソルバン、ムコサール[アンブロキソール]の副作用
ムコソルバン、ムコサール[アンブロキソール]は、かぜや気管支炎時の去痰薬として、1983年に発売された古い薬です。
主な副作用としては、胃不快感[0.09%]、発疹[0.08%]、嘔気[0.04%]などが挙げられます。
ムコソルバン、ムコサール[アンブロキソール]の禁忌
- 特になし