消化器疾患の治療薬として使用されるサイトテック[ミソプロストール]は、防御因子増強薬の中でPG製剤に分類されます。
このページでは、サイトテック[ミソプロストール]の作用機序、特徴、副作用について解説しています。
サイトテック[ミソプロストール]:胃・十二指腸潰瘍治療薬
サイトテック[ミソプロストール]は胃・十二指腸潰瘍などの消化性潰瘍で使用される治療薬です。
しかし、適応上は非ステロイド性消炎鎮痛薬[NSAIDs]服用に伴う胃・十二指腸潰瘍のみと少し変わった薬になります。
NSAIDsと胃薬の併用
NSAIDsの作用機序は、シクロオキシゲナーゼ[COX]と呼ばれる酵素を阻害することによります。
COXを阻害することで、炎症や痛みの原因物質のひとつであるプロスタグランジンの生合成を阻害するため、痛み止めや解熱薬として使用されるのです。
一方、胃粘膜は、別のプロスタグランジン[PGE1、PGE2、PGI2]の作用で保護されています。
NSAIDsの中には、PGE1、PGE2、PGI2の合成も阻害してしまう薬が少なくないため、長期間NSAIDsを服用していると、胃潰瘍や消化性潰瘍を引き起こすのです。
サイトテック[ミソプロストール]の作用機序、特徴
胃酸にペプシン、NSAIDsといった薬からの攻撃を守るために、胃の防御機構を高める薬はいくつかあります。
- 胃粘膜保護作用にあるプロスタグランジンの合成を促進する薬
- 胃の粘液を増やす薬
- 胃粘膜の血流を高める薬
などが使用されます。
胃薬はこれらの作用を複数持ちあわせた薬が良く使用されます。
サイトテックは、プロスタグランジンE1誘導体です。
このため、胃酸分泌抑制作用や胃粘液・重炭酸イオンの分泌増加作用などで胃粘膜保護作用が認められています。
やっくん
サイトテック[ミソプロストール]は、プロスタグランジンE1誘導体であり、胃粘膜を保護し、胃・消化性潰瘍、逆流性食道炎を改善します。
サイトテック[ミソプロストール]の副作用
サイトテック[ミソプロストール]は、NSAIDs服用時の胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治療薬として、1993年に発売された薬です。
主な副作用としては、下痢・軟便[4.8%]、腹痛[2.0%]、腹部膨満感[1.2%]、嘔気[1.1%]、消化不良[0.5%]等の消化器症状、ALT(GPT)上昇[0.7%]、Al-P上昇[0.6%]、AST(GOT)上昇[0.5%]、LDH上昇[0.4%]などが挙げられます。
サイトテック[ミソプロストール]の禁忌
- 妊婦
PG製剤は子宮収縮作用があるので、妊婦に対して禁忌となっています。