【新着記事】新型コロナウイルスの対策についてまとめました

薬剤師が知っておきたい呼吸数・呼吸音の違い、測定方法

記事内に広告を含みます

高血圧イラスト

在宅医療では、多剤投与[ポリファーマシー]の観点から薬剤師のフィジカルアセスメントやバイタルサインのチェックが重要視されています。

フィジカルアセスメントとは、患者に直接触れ、会話をすることで身体の状態を把握することを指します。

バイタルサインとは、血圧[BP]・脈拍[P:プルス]・酸素飽和度[SpO2:サチュレーション]・体温[KT]の4項目の測定に加え、呼吸数意識レベルを加えた6項目を指します。

在宅医療では、患者さん自身でチェックすることもあれば、現場の看護師さんや介護士さん、薬剤師が直接行うこともあります。

最近では、日本在宅薬学会理事長の狭間先生を中心とし、薬剤師向けのバイタルサイン講習会が多く開催されるようになりました。

薬剤師がバイタルサインをチェックすることで、次の3つに今まで以上に介入することが望まれています。

  1. 新たに投薬した薬が効いているのかどうか
  2. 漫然と投与されている薬の副作用が生じていないか
  3. 次回の処方時に何か処方提案できることがないか

呼吸数とは?

私たちが自然に行っている「呼吸」は、肺胞において酸素を取り込み、二酸化炭素を体外に排出することが目的です。

肺胞酸素二酸化炭素ガス交換呼吸

薬剤師が行うフィジカルアセスメントでは、呼吸数や酸素飽和度、呼吸音などを測定することが重要です。

呼吸数とは1分間の呼吸回数を指します。

通常は12-20回/分であり、12回/分以下を徐呼吸、20回/分以上を頻呼吸と言います。

頻呼吸は、呼吸が浅くなってしまうため酸素飽和度[SpO2]が低下する傾向があります。

呼吸音の違い、測定方法について

呼吸音を測定=聴診する際、胸と背中で行いますよね。

それぞれの呼吸音を上から順に、気管呼吸音・気管支呼吸音・肺胞呼吸音と言います。

気管呼吸音 音が大きく、高音、呼気の方が大きい
気管支呼吸音 気管呼吸音と肺胞呼吸音の中間
肺胞呼吸音 音が小さい、低音、呼気には聞こえない

吸気のはじめから呼気の終わりまでを1回の聴診とし、胸を6回、背中を6回聴診します。

聴診器測定方法

これら6ヵ所を聴診する中で、以下のような雑音が聞こえないか注意します。

断続性ラ音:水泡音

気道内の分泌物の膜がはじけるときの音です。

吸気時に破裂音が聞こえ、呼気時にはほとんど音はありません。

原因:肺炎、肺気腫など

断続性ラ音:捻髪音

肺胞の繊維が硬いために起こる音です。

吸気時に遅れて肺胞が開く際に聞こえます。

原因:間質性肺炎など

連続性ラ音:笛音

細い気管の狭窄で聞こえる音です。

喘鳴と呼ばれる高音のヒューヒューという音です。

呼気時に聞こえます。

原因:気管支喘息など

連続性ラ音:いびき音

太い気管の狭窄で聞こえる音です。

低音のボーボーという音で、吸気・呼気いずれでも聞こえます。

原因:慢性閉塞性肺疾患[COPD]など

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

error: Content is protected !!