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薬剤師が知っておきたい血圧計の正しい測定方法・使い方

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高血圧イラスト

在宅医療で関わるバイタルサインのひとつ、血圧計の正しい測定方法・使い方を解説しています。

在宅医療におけるバイタルサインの重要性

在宅医療では、多剤投与[ポリファーマシー]の観点から薬剤師のフィジカルアセスメントやバイタルサインのチェックが重要視されています。

フィジカルアセスメントとは、患者に直接触れ、会話をすることで身体の状態を把握することを指します。

バイタルサインとは、血圧[BP]・脈拍[P:プルス]・酸素飽和度[SpO2:サチュレーション]・体温[KT]の4項目の測定に加え、呼吸数意識レベルを加えた6項目を指します。

在宅医療では、患者さん自身でチェックすることもあれば、現場の看護師さんや介護士さん、薬剤師が直接行うこともあります。

最近では、日本在宅薬学会理事長の狭間先生を中心とし、薬剤師向けのバイタルサイン講習会が多く開催されるようになりました。

薬剤師がバイタルサインをチェックすることで、次の3つに今まで以上に介入することが望まれています。

  1. 新たに投薬した薬が効いているのかどうか
  2. 漫然と投与されている薬の副作用が生じていないか
  3. 次回の処方時に何か処方提案できることがないか

血圧とは?

血圧とは血管にかかる圧力であり、心臓から血液を送り出す収縮期血圧=最高血圧と、心臓へ血液が戻ってくる拡張期血圧=最低血圧があります。

最高血圧最低血圧

MEMO

血圧は、血液量[心拍出量]と血管の硬さ[抵抗]で決まります。

血圧仕組み

血圧=心拍出量×血管抵抗

心拍出量とは、心臓から送りだされる血液の量です。

心拍出量が大きくなると心臓から多くの血液を送り出さなければならないため、血圧が高くなり、心臓に負担がかかります。

血管抵抗は言い換えると、血液がサラサラかドロドロかという状態を指します。
血液ドロドロで流れにくい状態であると、血圧が高くなり、血管の動脈硬化が進行します。

動脈硬化は、コレステロールの沈着や石灰化によって動脈が硬くなることで、血流が悪くなり、腎臓や脳、心臓の血管が詰まりやすくなるのです。

また、最高血圧と最低血圧の差を脈圧と言います。

この脈圧が大きいことも脳卒中など血管に関連する疾患のリスクを高めることがわかっています。

やっくん

ゆえに、高血圧は、特に自覚症状がありませんが、心臓への負担や動脈硬化を引き起こし、心不全や腎不全、脳梗塞、心筋梗塞などの血管に関連する疾患のリスクを高めるのです。

高血圧の原因

高血圧要因

高血圧は、生活習慣病と言われますが、実は、高血圧患者の90%は具体的な原因がわかっていません。

この高血圧を本態性高血圧といいます。

高血圧を引き起こす要因としては、遺伝、肥満、運動不足、塩分、アルコールの摂り過ぎ、ストレス、喫煙などがあげられます。

血圧計の正しい測定方法、使い方、注意点

血圧は食事や運動、温度などの環境によって大きく変化します。

一般的には、早朝は低く日中は高くなり、夜になるとまた低くなります。

そのため、血圧測定のタイミングとしては、朝と夜が最適です。

また、運動や会話、緊張によっても血圧は高くなるため、背もたれ付きの椅子に座った状態での測定が推奨されています。

さらに足を組んだり、正座やあぐらをかくと血圧が高くなるので注意が必要です。

1度の測定で原則2回測定します。

なぜなら最初の測定は緊張によって高い数値が出るケースがあるためです。

上腕タイプ血圧計の測定方法、注意点

上腕タイプ血圧計

手首式の血圧計と比較して、テーブルの上に血圧を固定するため測定誤差は少なくなります。

測定時のポイントは次の3点です。

上腕タイプ血圧計の測定ポイント
  1. 腕帯の中心は心臓と同じ高さにする
    心臓より高いところで測定すると血圧値は低くなります。
    一方、心臓より低いところで測定すると血圧値は高くなります。
    1cmのズレが1mmHgに相当するため、注意が必要です。
  2. 腕帯を撒くときは、指1本ほど余裕を持つ
  3. 前かがみにならず、姿勢を正す
    前かがみなど腹圧がかかる姿勢になると、血圧値は高くなります。

また、薄いTシャツやYシャツなら問題ありませんが、上着やセーター着用時では上手く測定できないため注意が必要です。

手首式血圧計の測定方法、注意点

手首式血圧計

手首式の血圧計は、腕を上下に動かしやすいため、正しい測定方法をより理解しておく必要があります。

測定時のポイントは次の3点です。上腕タイプと基本的には変わりません。

手首式血圧計の測定ポイント
  1. 血圧計を心臓の高さに持っていく
  2. 手首は反らさない、握らない、曲げない
  3. 前かがみにならず、姿勢を正す

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