血液検査値のひとつ、総コレステロール[TC]の読み取り方について、脂質異常症や薬の副作用との関連性を含め解説しています。
脂質異常症とは?
血液中のLDL-コレステロール[悪玉コレステロール]やトリグリセリド[中性脂肪]が多かったり、HDL-コレステロール[善玉コレステロール]が少なくなっている状態を脂質異常症といいます。
これらは、特に自覚症状がありませんが、主に血管が硬くなることで動脈硬化を引き起こしたり、血管の損傷や詰まりが起こりやすくなります。
そのため、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞、脳出血などの血管に関連する疾患のリスクを高めるのです。
脂質異常症[高脂血症]の原因
脂質異常症は、生活習慣病と言われることから、その原因は食事と運動です。
食事では、脂のイメージが高い肉類だけでなく、ご飯やパン、スイーツなどの糖質も原因のひとつです。
なぜなら、必要以上の糖質は体内の脂肪合成に使用されるからです。
また、運動はカロリーの消費のみでなく、悪玉LDL-コレステロールを減らし、善玉HDL-コレステロールを増やす働きがあります。
総コレステロール[TC]、LDL-コレステロール[LDL-C]とは?
総コレステロールとは、カイロミクロン・超低比重リポタンパク質[VLDL]・中間低比重リポタンパク質[IDL]・低比重リポタンパク質[LDL]・高比重リポタンパク質[HDL]の総和です。
コレステロールは、主に肝臓で合成される内因性コレステロールと食事由来で摂取される外因性コレステロールにわかれます。
内因性コレステロール | 外因性コレステロール |
主に肝臓 | 食事由来 |
70-80% | 20-30% |
総コレステロール[TC]が高値になる疾患として、糖尿病・甲状腺機能低下症・肝、胆道性疾患・腎疾患などが挙げられます。
TC、LDL-Cの基準値
総コレステロール[TC]の基準値は、142-248[mg/dL]です。
LDLコレステロール[LDL-C]の基準値は、65-163[mg/dL]です。
[日本臨床検査協議会:共用基準範囲2014より]
自覚症状がない場合が多く、動脈硬化や胆石を引き起こすため注意が必要です。
総コレステロール[TC]と関連する薬剤性の副作用
総コレステロール[TC]の値に影響を与える薬剤はいくつか報告されています。
TC高値を起こす薬剤 | |
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[参考:検査値×処方箋の読み方 他]