前立腺肥大症の治療薬、フリバス[ナフトピジル]の作用機序、特徴、副作用について解説しています。
フリバス[ナフトピジル]:前立腺肥大症治療薬
フリバス[ナフトピジル]は、前立腺肥大症に伴う排尿困難の治療薬として使用されています。
前立腺とは、男性が持つ膀胱の下部にある生殖器であり、精液を作ったり、精子を守ったりといった働きをしています。
この前立腺が何らかの影響で大きく膨れがってしまい、尿が出にくくなってしまう病気が前立腺肥大症です。
前立腺肥大症の原因
前立腺肥大症の原因は、大きく2つに分けられます。
前立腺そのものが大きくなりすぎている場合と、交感神経が過敏に緊張し尿道が狭くなっている場合です。
- 物理的な原因:前立腺そのものが大きくなる
- 機能的な原因:交感神経の緊張
フリバス[ナフトピジル]の作用機序、特徴
前立腺肥大症に伴う排尿困難の中で最も多く使用されている薬が、α1遮断作用を持つ薬です。
前立腺肥大症の機能的な原因で出てきたように、交感神経の緊張が排尿困難を引き起こすひとつの原因です。
この交感神経の緊張を緩めるために、α1遮断薬が使用されます。
α1遮断薬の代表的な薬のひとつがフリバスです。
フリバスは、前立腺に存在するα1受容体をブロック、遮断することにより、過剰な交感神経の働きを抑えることで前立腺平滑筋を弛緩し、尿道を確保する薬です。
やっくん
フリバス[ナフトピジル]は、前立腺にあるα1D受容体を選択的に阻害することで、ノルアドレナリンの働きによる前立腺の収縮を抑制し、前立腺肥大症に伴う排尿困難の治療に使用されます。
フリバス[ナフトピジル]の副作用
フリバス[ナフトピジル]は、前立腺肥大症の治療薬として、1999年に承認された薬です。
主な副作用としては、めまい・ふらつき[0.95%]、立ちくらみ[0.42%]、低血圧(起立性低血圧を含む)[0.20%]、胃部不快感[0.20%]などが挙げられます。
フリバスの副作用でめまい・ふらつき、立ちくらみ、低血圧が起こる理由
フリバスは、前立腺のα1受容体の中でもα1D受容体を選択的に遮断する作用を持っています。
一方で、α1受容体の中でも、特にα1B受容体は、血管内に多く存在します。
フリバスは、わずかではありますが、血管のα1B受容体にも遮断作用を示すため、血圧が下がり、めまいやふらつきを起こしやすくなるのです。
フリバス[ナフトピジル]の禁忌
- 特になし