シムジア注［セルトリズマブ］作用機序、特徴、副作用

記事内に広告を含みます

関節リウマチの治療薬、シムジア注［セルトリズマブ］の作用機序、特徴、副作用について解説しています。

シムジア注［セルトリズマブ］：関節リウマチ治療薬

シムジア注［セルトリズマブ］は、関節リウマチに使用される治療薬です。

関節リウマチとは、身体の免疫反応が異常を起こすことで、自分自身の細胞を攻撃してしまう疾患です。

これを自己免疫疾患と言います。

なぜ免疫反応が異常を起こすかは、はっきりとはわかっていません。

関節リウマチの患者の多くは、血液検査においてリウマトイド因子・抗CCP抗体・赤沈などの値が高いことが知られています。

関節リウマチの症状

◆朝のこわばり：

朝起きたときに、手足が固まって動きにくくなります。

◆手や足の関節の腫れ：

特に小関節からはじまります。

◆皮下結節［リウマトイド結節］：

ひじやひざの関節に大きいこぶのようなものができます。

関節リウマチは、自己免疫疾患であり激しい痛みを伴う場合があります。

そのため、対症療法としてNSAIDsやステロイドが使用されます。

また、疾患そのものに対する治療薬として、抗体の産生抑制薬や免疫抑制薬が使用されます。

MEMO

シムジア注は、TNFαと呼ばれる炎症性サイトカインの働きを抑制する抗リウマチ薬です。

一般的には、リウマトレックス［メトトレキサート］で効果不十分の場合に使用されます。

TNFαは、もともとは腫瘍を壊す働きと免疫の活性化があるとされていました。

しかし、TNFα受容体にくっつき炎症を起こす作用もあり、関節リウマチ患者では関節滑膜において大量に産生されます。

シムジア注は、可溶性および膜結合性のTNFαに結合し、TNFα受容体への結合を阻害することで、炎症反応や軟骨の損傷を抑制します。

やっくん

シムジア注［セルトリズマブ］は、TNFαに結合しその作用を阻害することで、関節リウマチ症状を緩和します。

シムジアの最大の特徴は、抗体部分のFc領域を取り除いている点です。

免疫グロブリン［抗体］は、抗原部分くっつくFab’領域と、好中球などの貪食細胞や補体とくっつくFc領域から成っています。

Fc領域を取り除いたシムジアは、抗体依存性細胞障害［ADCC］や補体依存性細胞障害［CDC] に関与しないため、免疫細胞に対して細胞障害を起こさないと考えられています。

さらにシムジアは、Fab’領域と持続性を持たせるため、ポリエチレングリコールを結合させています。

シムジア注［セルトリズマブ］は、関節リウマチの治療薬として、2013年に発売された薬です。

注意

主な副作用としては、鼻咽頭炎［14.8％］、上気道感染［6.3％］、肝機能異常［6.3％］、咽頭炎［4.9％］、気管支炎［3.5％］、帯状疱疹［2.8％］などが知られています。

シムジア注は、敗血症や肺炎、結核などの感染症で致命的な経過をたどる可能性があると報告されています。

その他多くの注意が必要な薬であるため、使用の可否の検討、十分な観察が必要であると警告されています。