2020年度診療報酬改定について様々な噂が飛びかっていて、私たち薬局薬剤師は不安な日々をお過ごしかと思います。
診療報酬改定においては、「どれくらいのお金が診療報酬に配分されるか=予算」と「配分されたお金をどのように使うか=診療報酬の方向性」が重要となります。
今回は、1月29日-2月5日に公表された、“2020年度診療報酬改定の個別改定項目(案)”について、調剤薬局薬剤師に関する項目をまとめてみました。
参考 2020年度診療報酬改定:個別改定項目について厚生労働省
2020年度診療報酬改定の個別改定(案)の概要・まとめ
2020年度診療報酬改定の個別改定(案)を見た限り、小規模の調剤薬局を含めまずまず厳しい診療報酬改定になるのではと私は感じました。
とはいえ、診療報酬改定の方向性としては、これまで言われていることがさらに明確化された形ですね。「かかりつけ薬剤師や在宅業務などの対人業務」について評価されているので、まだ確定はしていませんが大まかな予想はしやすかったのではないかと思います。
個別改定(案)で調剤薬局に関連する項目を確認しましたので、個人的に調剤薬局において重要と考えた6項目について以下まとめてみました。
私の解釈で文章を変更して記載している部分もありますので、参考程度にご覧くださいね(・ω・)
①地域医療に貢献する薬局の評価
【地域支援体制加算の実績要件見直し】
2018年度 | 2020年度案 |
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– | 全ての薬局に、満たすべき要件のひとつとして以下の2つの要件が追加(新設) 1.患者の服薬情報等を文書で医療機関に提供した実績〇回以上(新設) 2.認定薬剤師が地域の多職種と連携する会議に〇回以上出席(新設) |
【地域支援体制加算の評価見直し】
2018年度 | 2020年度案 |
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所定点数に35点を加算 | 所定点数に〇点を加算(おそらくUP) |
②薬局における対人業務の評価の充実
【吸入薬・経管投与・糖尿病患者への加算を新設】
2018年度 | 2020年度案 |
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– | 全て新設 ・薬剤服用歴管理指導料 吸入薬指導加算〇点 ・経管投薬支援料〇点 ・薬剤服用歴管理指導料 調剤後薬剤管理指導加算〇点 |
【服用薬剤調整支援料2の新設】
2018年度 | 2020年度案 |
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1:6種類以上のポリファーマシー患者に対して、文書によって医師に減薬を提案、2種類以上の減薬に成功した場合に算定。 | 1:同じ 2:6種類以上のポリファーマシー患者かに対して、患者が服用中の薬剤について、重複投薬等の状況を含めた一元的把握を行い、処方医に重複投薬の解消に係る提案を行った場合の評価 |
【お薬手帳の更なる活用】
2018年度 | 2020年度案 |
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– | ◆薬剤服用歴管理指導料の要件 (新設) ・残薬状況、およびその理由をお薬手帳に記載 ・お薬手帳に普段利用する薬局名を記載 |
【同一薬局利用の推進】
2018年度 | 2020年度案 |
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薬剤服用歴管理指導料の減算:6ヶ月以内 | 薬剤服用歴管理指導料の減算:3ヶ月以内 |
– | 同一薬局に複数医療機関の処方箋を持ち込んだ際、2枚目以降の調剤基本料を100分の〇に減算(新設) |
③薬局における後発医薬品の使用促進
【後発医薬品調剤数量の評価見直し】
2018年度 | 2020年度案 |
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後発医薬品調剤体制加算1(75%以上):18点 後発医薬品調剤体制加算2(80%以上):22点 後発医薬品調剤体制加算3(85%以上):26点 | 後発医薬品調剤体制加算1(75%以上):〇点(おそらくdown) 後発医薬品調剤体制加算2(80%以上):〇点(おそらくdown) 後発医薬品調剤体制加算3(85%以上):〇点(おそらくそのまま) |
【調剤基本料減算規定の見直し】
2018年度 | 2020年度案 |
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後発医薬品の使用割合が2割以下の場合、調剤基本料が減算される。 | 後発医薬品の使用割合が〇割以下の場合、調剤基本料が減算される。 |
【バイオ後続品に係る情報提供の評価(病院・クリニック)】
2018年度 | 2020年度案 |
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– | 在宅自己注射指導管理料において、 バイオ後続品導入初期加算として、〇点を所定点数に加算する(新設) |
【一般名処方加算の点数見直し (病院・クリニック) 】
2018年度 | 2020年度案 |
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一般名処方加算1:6点 一般名処方加算2:4点 | 一般名処方加算1:〇点 一般名処方加算2:〇点 |
④薬薬連携の評価
【退院時薬剤情報連携加算の新設 ( 病院・クリニック)】
2018年度 | 2020年度案 |
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– | 病院が、入院前の内服薬を変更又は中止した患者について、 その理由や変更後の患者の状況等を文書によりかかりつけ薬局に提供した場合に、〇点を所定点数に加算する |
⑤いわゆる門前薬局の評価の見直し
【処方箋枚数の多い門前薬局も調剤基本料2の対象に】
2018年度 | 2020年度案 |
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– | ◆調剤基本料2(新設) 処方箋の受付回数が1月に〇回を超えること。 (特定の保健医療機関に係る処方箋調剤の割合が〇割を超える場合) |
【チェーン薬局の範囲拡大:2→3段階へ】
2018年度 | 2020年度案 |
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◆調剤基本料3 a)同一グループの処方箋受付回数が月4万回超え40万回以下、かつ、特定の保険医療機関による処方箋割合が85%超え b)同一グループの処方箋受付回数が月40万回超え、かつ、特定の保険医療機関による処方箋割合が85%超え | ◆調剤基本料3 a)同一グループの処方箋受付回数が月〇回超え4万回以下、かつ、特定の保険医療機関による処方箋割合が□%超え b)同一グループの処方箋受付回数が月4万回超え40万回以下、かつ、特定の保険医療機関による処方箋割合が□%超え b)同一グループの処方箋受付回数が月40万回超え、かつ、特定の保険医療機関による処方箋割合が□%超え |
⑥情報通信機器を用いた服薬指導の評価
【オンライン服薬指導の新設】
2018年度 | 2020年度案 |
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– | 薬剤服用歴管理指導料4(新設): オンライン服薬指導を行った場合〇点(月1回まで) |