平成16年の学校環境衛生基準の改定によりダニアレルゲン検査が新たに追加され、平成21年には年1回定期的に検査することが義務づけられました。
そのため、学校薬剤師業務のひとつにアレルギーの原因となる”ダニ”の数を測定する業務があります。
今回は、ダニアレルゲン簡易検査キットである「マイティチェッカー」の使い方を含めたダニアレルゲンの検査についてまとめてみました。
ダニアレルゲン検査の基準値と対策
ダニアレルゲンの検査は、夏季休暇中を除く6-9月において2つの部屋で測定します。
1つは保健室のベッドなどの寝具、2つはカーペットや畳などダニの住処になりやすい場所を選びます。私は、視聴覚室のカーペットで測定しました。
ダニの基準値
保健室の寝具類で++以上の判定結果が出ると、再検査となります。[京都の場合]
- | 10匹未満/㎡相当 |
+- | 50匹/㎡相当 |
+ | 100匹/㎡相当 |
++ | 150匹以上/㎡相当 |
+++ | 350匹以上/㎡相当 |
[京都市学校薬剤師会ハンドブックより引用]
マイティーチェッカーを使ったダニアレルゲン検査
ダニアレルゲン検査では、直接顕微鏡でダニを数える方法や、アレルゲンを酵素免疫測定法で測定する方法があります。
住化エンバイロメンタルサイエンス株式会社
今回使用するマイティチェッカーは後者の酵素免疫測定法に該当します。
ダニアレルゲン測定原理
マイティチェッカーは、ダニアレルギーの主要なアレルゲンである”Der2”を抗原とし、Der2に特異的なモノクローナル抗体を使うことによる抗原抗体反応によって、抗原の濃度を測定します。
ダニアレルゲン測定方法
[マイティチェッカー説明書より引用]
- 掃除機のノズル・ジョイント部分の汚れを事前に取っておきます。
- ゴミ取り袋を開き、掃除機の本体側に取り付けます。
- ゴミ取り袋の羽部分を外に出し、ジョイント部分をはめ込みます。
- ベッドやカーペットの表面1㎡を3の掃除機で1分間吸引します。
- ゴミ取り袋をチャック付きビニール袋へ入れ、検査センターへ送付します。
実際に掃除機を使ってみると、ダニというよりはかなりのゴミも一緒に吸引されます。
掃除機をかける頻度は月1回程度なので仕方ないかと思いますが、はじめて吸引したときはビックリしました。
マイティチェッカーでは、自分自身で試薬を使って検査することもできますが、京都では検査センターがやってくれるので、後日の結果を待つ形になります。