生徒向け薬物乱用防止教室の資料をまとめてみました

学校薬剤師教室

この度、PTAや保護者・学校関係者向けの薬物乱用防止教室に続き、生徒向け[今回は中学1年生]を対象に開催することになりました。

PTA・保護者対象で使用したスライドの参考資料はコチラ↓

https://薬局実習.com/school-pharmacist/yakubutsu-ranyou.html

ただし、時間は15分間とほんのわずか。逆に短時間なので寝ずに集中して聞いてもらえるとプラスに捉えることにしましょうか(;^ω^)

15分程度の講演で必要な情報を、主に前回作成したPTA・保護者向けの資料から抽出・補足し自分の情報整理のためにまとめてみました。

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子供向けの薬物乱用防止教室スライドについて

私の担当している中学校では、中学1年生に約15分程度の薬物乱用教室を学校薬剤師が行います。

中学2年生で“くすり”の正しい使い方、中学3年生で地域警察によるドラッグ防止の教室を行っています。

今回私が担当したのは、初期の段階で15分程度となんとも難しい・・・

そもそも中学1年生の段階では、“くすり”について誤った認識がある子供も多いと聞きました。

例えば、痛みがあれば何でも市販のロキソニンを服用したり、親が貰ったくすりを自己判断で服用したり[これは小さいとき私もやっていましたが(;^ω^)]、お腹が痛ければ正露丸を飲めばいいと決めつけていたり・・・などなど。

ただ、くすりの基本的な話をしてしまうと15分という短い時間では足りませんよね。

とりあえず今回は、次の3つのことを子供たちに知ってもらうべく、薬物乱用防止教室のスライドを作成してみました。

  1. 薬物を使ってはいけない理由①⇒脳に作用するから
  2. 薬物を使ってはいけない理由②⇒薬物中毒は治るが薬物依存は治らない
  3. 断る勇気と相談する勇気を持とう

薬物を使ってはいけない理由①⇒脳に作用するから

くすりはリスク

日本は医療保険制度が整っているためか、日本人は薬好きと言われており、ちょっとしたことで薬を出すことが多いように感じます。[実際は、医薬分業が進み処方箋料の請求ができることが大きいとは思いますが]

近年医療業界で問題となっている言葉のひとつが“ポリファーマシー”という言葉。

一般的には6種類以上の薬を飲むことを指しています。

実際に、70歳以上で薬を服用している方は、平均6種類以上の薬を服用しているという調査結果があります。

なぜ6種類以上の薬を服用するポリファーマシーが良くないかというと、6種類以上の薬を飲む患者は、副作用のリスクや転倒の頻度が2倍近く増加するといった報告が上がっているためです。

副作用くすりはりすく

くすりを反対から読むとリスク。

副作用などのリスクを伴うため、必要な薬を必要時のみ服用しなければならないのです。

脳に作用するものは自分の意思では止められない

リスクの中でも脳に作用する薬はより注意が必要です。

薬ではなくても、身近なものではタバコやお酒も当てはまります。

脳に作用する薬・お酒・たばこ

薬やお酒、タバコを始める際は、耐性も依存も形成していないため、軽い気持ちで初めてしまいます。

しかし、一度身体に取り込まれてしまうと、脳に作用するのです。

脳がこれら薬やお酒、タバコを欲してしまうため、結局自分の意思では止めれなくなってしまうのです。

薬物を使ってはいけない理由②⇒薬物中毒は治るが薬物依存は治らない

乱用薬物を繰り返す人はどのくらいいるのか?

乱用薬物だけではなく、睡眠薬や精神安定剤などの薬・お酒・タバコなどの脳に作用するため、自分の意思では止めれないと紹介しました。

では、実際どのくらいの人が乱用薬物を繰り返し使用しているのか?

まずは、ここで乱用薬物とはどういったものを指すのかについて確認してみましょう!

乱用薬物とは?

乱用薬物とは、主に次のような薬物を指します。

  • 覚せい剤
  • 麻薬[例.ヘロイン、コカイン、MDMA、あへん]
  • 大麻
  • シンナー
  • 幻覚性きのこ
  • 危険ドラッグ(旧名:脱法ドラッグ)

これらの違いは、薬物の作用だけではなく、耐性や依存の強さ、中毒症状が異なってきます。

一般的に、あへんなど中枢神経抑制作用をもつ薬物は、精神依存と身体依存を持っています。

一方、覚せい剤やコカインなど中枢神経興奮作用をもつ薬物は、精神依存を持っていますが、身体依存の影響は小さいと言われています。

乱用とは?

乱用とは、社会で決められた“ルールを逸脱すること”を指します。

そのため、未成年の場合、タバコを吸う・お酒を飲む行為も乱用となります。

乱用という言葉からは繰り返し使用することが連想されますが、たとえ1回の使用でも乱用となります。

乱用によって耐性・薬物依存と薬物中毒が問題となる

乱用を続けることで、先ほど紹介した耐性・身体依存・精神依存だけでなく、薬物中毒が問題となります。

薬物乱用急性中毒慢性中毒

薬物乱用時には、急性の薬物中毒に陥る場合があり最悪の場合死に至ります。

薬物乱用を繰り返すと、薬物依存状態になり、最終的には慢性の薬物中毒に陥り幻覚や妄想などの中毒症状が生じます。

薬物中毒症状の実際

ここで薬物中毒症状について、実際に薬物を乱用してしまった方の例をYoutubeで見てみましょう!

こちらのYoutube動画の前半部分で紹介されている薬物中毒患者の実際を見てもらいます。

このような薬物中毒は、治療をすれば治すことができます。

しかし、薬物依存は一生治らないため“再犯”が起こってしまうのです。

薬物乱用から再犯へ

つまり、一度の薬物乱用が一生を狂わせることになるのです。

薬物依存が治らず半数以上が薬物乱用を繰り返す

実際の再犯率のデータを見てみましょう!

平成20年-29年までの覚せい剤検挙者のうち再犯者がどのくらいだったかを示したデータです。

検挙人数再犯者数再犯者比率
H20年
11,231人
5,849人
52.1%
H25年11,127人6,989人 62.8%
H26年11,148人7,190人64.5%
H27年11,200人7,237人64.6%
H28年10,607人6,879人64.9%
H29年10,284人6,740人65.5%

検挙者の半数以上が再犯者であり、再犯者の割合が増加傾向ということがわかります。

薬物依存状態の実際

ここで薬物依存状態について、再度先ほどと同じYoutube動画を見てみましょう!

こちらのYoutube動画の後半部分で紹介されている薬物依存患者の実際を見てもらいます。

やはり動画があると子供たちの集中力が高まる気がしました。

特にこの動画の最後の部分は、幻聴や幻覚症状にインパクトがあるのでオススメです。

断る勇気と相談する勇気を持とう

最後に子供たちに2つのお願いをしました。

“断る勇気”

薬物が出回る場所に、行かない・聞かない・さわらない。

どんなに甘い言葉を掛けられても、きっぱりと断ることが重要となります。

“相談する勇気”

家族や学校、友人など身近な人に相談しましょう!

自分が誘われたときだけでなく、大切な友達が誘われたときにも相談できるよう心がけましょう。

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